古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

グッド・バイ  太宰治

2015-12-24 12:55:00 | 小説の紹介
1945年~1948年   新潮文庫。


(薄明、苦悩の年鑑、十五年間、メリイクリスマス、眉山、女類、



グッド・バイ 他)



太宰の後期の作品16編が収められている。晩年よりもさらに鋭利に、



シャ-プになっている。それだけ、歳をとったということだが、感


性は衰えてはいない。戦争が終わり、焼け出され、疎開する様子が



描かれていいたり(薄明、たずねびと)することが多く、その戦後の




混乱のさまが良くわかる。思想的にも、底辺には死というものがあり



ながら、更に、ブルジョワ、民主主義、女などへの懐疑とともに、自



己否定を絡めて、それによってさらに昇華されようとする、意志が感じ



られる。最後のグッド・バイで、太宰はこの世とさよならした。
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