古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

刺青     谷崎潤一郎

2023-05-01 07:38:37 | 小説の紹介
新潮文庫

この刺青は19歳の時に読んだ。そのときはどう思ったのか

は忘れてしまったが、もっと長いかと思っていたようだ。

籠から見えた足の形に惚れて、ずっと探し続けていたが、

ときに目の前にその娘が現れ、クスリを嗅がせて、彫り物

を入れてしまう。蜘蛛のもんもんだ。ぼくの心の目には、

その蜘蛛のもんもんが見えた、はっきりと、背中に、まるで、

その少女と言っていい16,7歳の女を食うように映えて

いる動きそうな蜘蛛が。ドキドキする掌編だ。こんな

スリリングな短編を書いてみたいもんだ、と思う。

尊敬できる作家に再び、30数年ぶりに出会えて、ぼくは

感激である。なにかの因果を感じる。

    (読了日 2023年4・15(土)1:35)
                 (鶴岡 卓哉)



















コメント
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