古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

母を恋うる記     谷崎潤一郎

2023-05-19 09:53:26 | 小説の紹介
新潮文庫    大正8年

美しく暖かいファンテジーであり、(中略)名品である。と

解説にある。ぼくは読んでみて、特に大したストーリーじみた

ものもなく、文章を読んで泳ぐ感じが、文体で生きているな、と

感じさせた。

たしかに、ファンタジーといえるだろう。なおも、聴覚型の

作家だという指摘もあり、「天ぷら喰いたい、天ぷら喰いたい」

という三味線の音と共に聞こえてくる、「チンコロ踏んだ」と

聞き違える、と書いてあるが、これはどういうことかよく分か

らない。とにかく、潤一郎氏にはパンチラインのように、「

天ぷら喰いたい」というのが聞こえたことはたしかなようだ。

    (読了日 2023年 5・1(月)2:37)
                  (鶴岡 卓哉)     



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