古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

秘密     谷崎潤一郎

2023-05-07 08:58:57 | 小説の紹介
新潮文庫

「刺青・秘密」という本の表題作。女装に目覚めた男。街に

繰り出しては楽しんでいた。そのときに、上海で知り合った

昔捨てた女と出会うが、すごい美人だ、と思い、拉致られて

俥で連れられて、遊んで帰っていく、ということをやっていた。

何度も何度も拉致られるので、目隠しするが、だいたいこの

辺だろうというところを突き止める。昼間に、その女を見ると

後家で魅力的でもなんでもない。そして、男はまた女を捨て

るのだった。

この漢字をたくさん使った文体だからこそ、この世界観は

形作られたのだろう、という気がする。

現代文でやってみても味気なくなるだろう。女と手(手紙)を

交わすのだが、そこのところがなんとも色気があって、よかった。

      (読了日 2023年4・19(水)9:00)
                    (鶴岡 卓哉)      
コメント
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