講談社文庫 2004年
本書はお皿などの料理に関する小物が好きで
集めるが、料理は嫌いと云う著者が出来合い
を自分でつくりました的に出して来た、と語る
一方、なかなかの光る料理のセンスを見せる。
ちょっと笑っちゃうエッセイなのであります。
センテンス、長すぎ! ですね。
著者は薄幸の女を気どり、木村多江主演で映画
でも撮れそうな、爆笑なシナリオを書いて、気仙沼
で「お牧」と云うおでん屋を開きたい、と各所で
言って来たそうな。そのくせ、おでんはおでんの素
でしかつくったことがなくて、妄想はどんどんエスカ
レートし、ふくらみ、暴走してゆく。
最終的には、料理をつくる時間があったら、格闘技と
相撲を視に行くという位だから、時津風部屋の「豚
キムチちゃんこ」は抜群においしかったので、
時津風部屋風にアレンジして、ちゃんこ鍋屋にしようと
いうことになるが、? ちゃんこと薄幸? と疑問に
思わざるを得ない。元気いっぱいイメージしかちゃんこ
にはないのですが、とツッコミを入れておいた。
(読了日 2024年11月4日(月)22:15)
(鶴岡 卓哉)