青木日出夫・訳 早川書房 1966年
ぼくははじめ、中絶か、キツイな、と思った。いま、
アメリカで妊娠中絶が法的に禁止になる州があるという。
レイプ、近親相姦、などでできた子供も堕胎できない
という。中絶できる自由は女性にあるべきだ、というのが
いまのぼくの考えだ。武田百合子さんが四回も中絶した、と
きいたときは、酷く傷付きもしたが。でも、それはその人の
自由なのであって、産まれてきて不幸って子供もたくさんいる
わけだし。
この本に出てくる自分で勝手に書いた本を持ってくる図書館って
すごくいい。そこに数年しばられている彼は、世間と隔絶され
ている。そこにはなにかを見ることはできるだろう。しかし、
それは、いいのだ。そんなことをしてもなんにもならない、
結局、図書館をクビになってしまう。堕胎したことでクビに
なってしまう、というところが、なんとも風刺的だ。
ああ、けど、ぼく、タネがないから妊娠させることは物理的に
ムリですわ、誰にいっとんねん、チーン。
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