古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

偽作      遠藤周作

2021-12-08 00:50:28 | 小説の紹介

第二怪奇小説集所収 「オール読物」60年8月号

 

6年前に妻を亡くした男が、後妻をとり、その後妻が

 

小説をやることを条件に結婚した。そのうち、新人賞を

 

とり、忙しくなったが、じきにその小説が叔父が書い

 

たものだということが判明する。

 

その叔父が家を我が物顔で歩き、次作を書くのだ、と言

 

っている。おカネも五万用意した。憎しみが増し、ウィス

 

キーをせがまれ、そこに殺虫剤が入っていることを発見

 

する。叔父もバカだ。殺虫剤をウィスキーと思ってバカ

 

がいるだろうか? ちょっとそこいら辺もおかしい。もっと

 

おかしいのは殺虫剤で殺した後、妻が私を犯した男に復讐

 

しようと思っていたという。代作していたということは、

 

読めばわかるのだから、思い込ませるとか、自分(妻)が

 

自分で書いた、というのもちょっとおかしい。とにかく、

 

ヘンな小説であった。理屈のまったく合わない小説だった。


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