第二怪奇小説集所収 「オール読物」60年8月号
6年前に妻を亡くした男が、後妻をとり、その後妻が
小説をやることを条件に結婚した。そのうち、新人賞を
とり、忙しくなったが、じきにその小説が叔父が書い
たものだということが判明する。
その叔父が家を我が物顔で歩き、次作を書くのだ、と言
っている。おカネも五万用意した。憎しみが増し、ウィス
キーをせがまれ、そこに殺虫剤が入っていることを発見
する。叔父もバカだ。殺虫剤をウィスキーと思ってバカ
がいるだろうか? ちょっとそこいら辺もおかしい。もっと
おかしいのは殺虫剤で殺した後、妻が私を犯した男に復讐
しようと思っていたという。代作していたということは、
読めばわかるのだから、思い込ませるとか、自分(妻)が
自分で書いた、というのもちょっとおかしい。とにかく、
ヘンな小説であった。理屈のまったく合わない小説だった。
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