第二怪奇小説集所収 1959年
仏蘭西のリヨンという街の大学に通っていた頃の
話。この街では黒ミサやら悪魔絡みの事件が多発
し、それは霧深いことに関係しているのではないか
と周作氏は推理する。その街で人気のないパン屋で
パンを買うが、そこに小さな子供、ジャニーヌがいた。
その娘の母親が問題の女だ。その女が男と連れ立って
歩いているところを見たような気がした周作氏だが、
女のやつれた顔を見ると、男ができたようには見えない。
しばらくして、その街を離れて、ある朝、朝刊を読むと
八歳の娘を殺した男の写真がでかでかと出ていた。
しかし、このまま事件は終わらない。裁判所で、
「ノン、ノン、ノン」という悲鳴に近い声がした。それは
母親だった。「ノン、ノン、ノンーこの人じゃない、殺した
のはこの人じゃない」そうだ、母親がジャニーヌを寝かしつけ
ガス栓をひねり、その間にトラック運転手の愛撫を受けて
いたのだ!
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