喜びも憂いも家族の絆も・・・・
* * * * * * * * * *
「モンタナの風に抱かれて」に引き続き、
ロバート・レッドフォード監督作品といきましょう。
(制作年は前後してしまいましたが)
今作もモンタナ州が舞台です。
このモンタナへのこだわりは、もしかすると監督の出身地?と思ったのですが、そうではありませんでした。
(監督はカリフォルニア出身)。
つまりは“大自然の懐に抱かれた”というイメージが、監督にとって非常に強い土地なのかもしれません。
20世紀初頭のモンタナです。
厳格な牧師の家の兄弟二人。
真面目な兄ノーマン(クレイグ・シェイファー)と自由奔放な弟ポール(ブラッド・ピット)。
こうくれば、お決まりの兄弟間の相克という話になりますが、
でも、この二人は非常に仲がいい。
小さい頃から暇さえあれば二人で川へ出かけ、釣りをします。
それもフライ・フィッシング。
お父さん譲りの素晴らしい腕前。
光り輝く川面にしなやかに曲線を描く釣り糸が美しい。
二人の子供の頃のエピソードがいくつか紹介されたのち、
大学を卒業したノーマンが久しぶりに故郷へ帰ってきたところから、いよいよ物語の幕開けです。
とても仲の良い兄弟ながら、お互いがお互いを羨んでいるのが見て取れます。
兄ノーマンは、人懐っこくていつも人の輪の中心にいるポールが眩しい。
ポールは思い切りが良くて大胆。
しかし時としてハメを外しすぎ、喧嘩で警察の厄介になったり、怪しげな女性と付き合ったり、賭け事で借金をしたり・・・、
そういう危なっかしい面もあるのです。
一方、兄ノーマンの方はさほど社交的ではなく、
付き合っている彼女に「面白くない」と言われたりします。
でもポールは、堅実な兄の方が父に期待されていると思う。
この兄弟が互いを見るときには、だからちょっぴり表情が複雑なのです。
その細やかな描き方がとてもいいですね。
この作品、実は思いがけなくもショッキングな出来事で幕を閉じるのですが、
ラストシーンはそれからまたさらに数十年。
同じ川で釣りをする老いたノーマンの姿が映し出されます。
“行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず・・・”
方丈記ではありませんが、
人の世はどんどん移り変わって行くけれども、川は変わらない。
喜びも憂いも、家族の絆も別れも・・・、
川の水と同じようにどこかへ流れ去り、また新たな営みがどこかで生まれていくのでしょう。
そんな無常感が漂う、秀逸なラストなのです。
また、やはり若きブラピが素敵ですよね~。
いるだけで華があって、人懐っこそうで、
だけど時々人を寄せ付けない厳しい表情をうかがわせる。
線は細すぎず、適度に筋肉質・・・・すなわちセクシー。
惚れ直します♡。
ところでまた、子供時代のノーマンを演じているのが、ジョセフ・ゴードン=レビットなんです。
びっくりですね。
こういう面からも見逃せない作品と言えそうです。
「リバー・ランズ・スルー・イット」
1992年/アメリカ/124分
監督:ロバート・レッドフォード
原作:ノーマン・マクリーン
出演:スティーブン・シェレン、クレイグ・シェイファー、ブラッド・ピット、ジョセフ・ゴードン=レビット
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「モンタナの風に抱かれて」に引き続き、
ロバート・レッドフォード監督作品といきましょう。
(制作年は前後してしまいましたが)
今作もモンタナ州が舞台です。
このモンタナへのこだわりは、もしかすると監督の出身地?と思ったのですが、そうではありませんでした。
(監督はカリフォルニア出身)。
つまりは“大自然の懐に抱かれた”というイメージが、監督にとって非常に強い土地なのかもしれません。
20世紀初頭のモンタナです。
厳格な牧師の家の兄弟二人。
真面目な兄ノーマン(クレイグ・シェイファー)と自由奔放な弟ポール(ブラッド・ピット)。
こうくれば、お決まりの兄弟間の相克という話になりますが、
でも、この二人は非常に仲がいい。
小さい頃から暇さえあれば二人で川へ出かけ、釣りをします。
それもフライ・フィッシング。
お父さん譲りの素晴らしい腕前。
光り輝く川面にしなやかに曲線を描く釣り糸が美しい。
二人の子供の頃のエピソードがいくつか紹介されたのち、
大学を卒業したノーマンが久しぶりに故郷へ帰ってきたところから、いよいよ物語の幕開けです。
とても仲の良い兄弟ながら、お互いがお互いを羨んでいるのが見て取れます。
兄ノーマンは、人懐っこくていつも人の輪の中心にいるポールが眩しい。
ポールは思い切りが良くて大胆。
しかし時としてハメを外しすぎ、喧嘩で警察の厄介になったり、怪しげな女性と付き合ったり、賭け事で借金をしたり・・・、
そういう危なっかしい面もあるのです。
一方、兄ノーマンの方はさほど社交的ではなく、
付き合っている彼女に「面白くない」と言われたりします。
でもポールは、堅実な兄の方が父に期待されていると思う。
この兄弟が互いを見るときには、だからちょっぴり表情が複雑なのです。
その細やかな描き方がとてもいいですね。
この作品、実は思いがけなくもショッキングな出来事で幕を閉じるのですが、
ラストシーンはそれからまたさらに数十年。
同じ川で釣りをする老いたノーマンの姿が映し出されます。
“行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず・・・”
方丈記ではありませんが、
人の世はどんどん移り変わって行くけれども、川は変わらない。
喜びも憂いも、家族の絆も別れも・・・、
川の水と同じようにどこかへ流れ去り、また新たな営みがどこかで生まれていくのでしょう。
そんな無常感が漂う、秀逸なラストなのです。
また、やはり若きブラピが素敵ですよね~。
いるだけで華があって、人懐っこそうで、
だけど時々人を寄せ付けない厳しい表情をうかがわせる。
線は細すぎず、適度に筋肉質・・・・すなわちセクシー。
惚れ直します♡。
ところでまた、子供時代のノーマンを演じているのが、ジョセフ・ゴードン=レビットなんです。
びっくりですね。
こういう面からも見逃せない作品と言えそうです。
リバー・ランズ・スルー・イット [DVD] | |
ブラッド・ピット,クレイグ・シェーファー,トム・スケリット | |
パイオニアLDC |
「リバー・ランズ・スルー・イット」
1992年/アメリカ/124分
監督:ロバート・レッドフォード
原作:ノーマン・マクリーン
出演:スティーブン・シェレン、クレイグ・シェイファー、ブラッド・ピット、ジョセフ・ゴードン=レビット