映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

みんなで一緒に暮らしたら

2013年07月03日 | 映画(ま行)
自分達で自分達の生活を守ろう



* * * * * * * * * *

パリ郊外が舞台です。
人生の終焉をどのように過ごすか、5人の男女のストーリー。
この5人、
アルベールとジャンヌ、
ジャンとアニーという二組の夫婦と、
独身のクロードという取り合わせ。
旧知の親しい仲で、いつも集まって食事を共にしたりしていました。
ところがあるとき、クロードが発作で倒れ、
老人ホームに送られてしまいます。
その扱いを見かねた皆は、
一つ屋根の下で共同生活を送ることに。



本作は若い時に見たら、面白くもなんともないと思ったかもしれません。
でも、今だからわかる切実さに満ちていますねえ・・・。
愛やら恋やら、
老人には無縁と思えるかもしれないけれど、
実のところ心は若いころとそう変わりませんもんねえ。
この5人には実は密かなドロドロした関係があったりします。
しかし、それが発覚したとしても、
一応驚きはする彼らですが、
案外淡々としているようにも思える。
そこが長い人生経験のなせる技というものでしょうか・・・。
そうでなければこのような共同生活がつづくはずがありません。
ほんの少しのさざなみにしかならない。



老いてからの共同生活というのは
実は私にとっても理想と思っているのです。
グループホームというのもありますが、
あれはあくまでも事業主主体ですよね。
ではなく、自分達で、というところがミソ。
今作のように、生活の手助けをしてくれる若い人を雇うのがいい。
もちろん個室は必要。
互いの生活に干渉し過ぎないこと。
せいぜい食事を共にとるくらい。
まあ、それなりに資金は必要かな・・・。
若いうちに、そんな風に同居できるくらいの
友人関係を築けるかどうかがポイントですが。



などということをつらつら考えるには良い作品ではありましたが・・・。
ストーリーとしては・・・。
あれ?ストーリーなんかありましたっけ?




「みんなで一緒に暮らしたら」
2011年/フランス・ドイツ/96分
監督:ステファン・ロブラン
出演:ジェーン・フォンダ、ジェラルディン・チャップリン、ダニエル・ブリュール、ピエール・リシャール、クロード・リッシュ

老後を考える★★★★★
満足度★★★☆☆