映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

グランド・イリュージョン

2014年12月28日 | 映画(か行)
正義は誰にありや?



* * * * * * * * * *

4人組のスーパーイリュージョニストグループ「フォー・フォースメン」。
彼らが、ラスベガスでショーをしながら
遠く離れたパリの銀行から金を奪うというマジックを披露します。
それはもちろん超能力でも何でもなく、タネも仕掛けもあるのですが。
初めから舞台に上がる観客は選ばれていたのだな、
というところくらいまでは想像がついたのですが、
その後の全く信じられない技には
実際すっかり度肝を抜かれてしまいました。



しかし、このことについてはあとできちんと種明かしがありまして、
それを知ってみればたしかに、なあんだ・・・というところです。
そもそも、マジックというのはそんなものなのかもしれません。



さてしかし本作、マジックと称しながら、
実際にパリの銀行の金庫から大金が消えた!!
当然、フォー・フォースメンたちに疑いがかかるわけですが、
間違いなく彼らはラスベガスの大観衆の前にいた。
頭を抱える警察。
そんな時、FBI捜査官ディラン(マーク・ラファロ)と
インターポールのアルマ(メラニー・ロラン)が捜査に乗り出します。


本作は登場人物たちを見つめる視線が、誰を中心とするでもなく、中立なのです。
マジシャンたちでも捜査官でもなく淡々と事象を追う。
また、マジックのタネを暴くことを仕事としている
サディウス(モーガン・フリーマン)という男も登場。
ではこちらが主人公かと思えばそういうわけでもない。


誰もがそれぞれの立場に忠実に、
それぞれのすべきことをしている。



だがしかし!! 
ひとつ大きな騙しが隠されています。
これらすべてのことを影で操り糸を引いている人物がいる。
それは一体誰なのか。
・・なるほど、そういうことを隠すために、誰に正義を置くわけでもなく、
淡々とストーリーが進むわけか。
最後まで見てようやく納得なのでした。



つまりは因縁話であったわけですが、
大掛かりなイリュージョンとともに、なかなか楽しめて、
そして騙される作品でした。
ジェシー・アイゼンバーグの口から流れるマシンガンのような言葉。
やっぱりスゴイ。



グランド・イリュージョン [DVD]
ジェシー・アイゼンバーグ,マーク・ラファロ,マイケル・ケイン,モーガン・フリーマン,ウディ・ハレルソン
KADOKAWA / 角川書店


「グランド・イリュージョン」
2013年/アメリカ/116分
監督:ルイ・レテリエ
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウッディ・ハレルソン、メラニー・ロラン、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン

マジック度★★★★★
満足度★★★★☆