子供から見た両親の不和

* * * * * * * * * *
ロック歌手の母(ジュリアン・ムーア)と美術商の父(スティーブ・クーガン)を持つ
6歳メイジー(オナタ・アプリール)。
この2人が離婚したため、メイジーは10日毎に
二人の家を行ったり来たりすることになります。
父はベビーシッターのマーゴと、
母はバーテンダーのリンカーンと暮らすようになるのですが、
相変わらず二人は仕事に忙しく、
10日ごとのメイジーのお迎えすらおろそかに・・・。

子供そっちのけで口汚く喧嘩する夫婦の図は非常にありふれているのですが、
本作はメイジーに寄り添った描写で、
両親の不和が非常に不安なものに見えます。
メイジーを取り合い、愛していると口では言いながら、
結局は自分の都合ばかりを優先する父と母。
しかしメイジーは、気丈にもじっと耐えています。
メイジーの友人が泊まりに来るシーンがあるのですが、
彼女は夜中にホームシックで泣き出してしまい、
お父さんに迎えに来てもらいました。
本当はそういう年頃なのです。
メイジーはそうした点で、強いというよりも、
強くならざるを得なかったということが読み取れて、切なくなります。
メイジーは父や母よりも、
それぞれのパートナーであるマーゴやリンカーンといる時のほうが長くなってきます。
また、そうしている時のほうが心に安らぎを覚えるようになってくる・・・。
ある時は、学校のクラスのみんなに
リンカーンを「私の新しいパパよ」と紹介したりします。
母親にかまわれないメイジーの気持ちを汲み取り、
彼女に何かと気遣ってくれるリンカーンの気持ちが
すんなりと彼女に通じたのでした。
しかし、そんなことすら母にとっては面白くないという・・・。
そもそもメイジーの父母こそが未熟なのですね。
血のつながりだけが親子の証ではない。
いえ、この場合はその血のつながりこそがむしろ厄介だ。
心と心で寄り添うことができるかどうか。
そこが肝心ということなのでしょう。

離婚した両親の間を子供が行き来する作品はとても多いですが、
ここまで子供の気持ちにストレートに標準を合わせた作品はなかったように思います。
別れるのは仕方ないにしても、
少しでも子供に不安を感じさせなように、十分な配慮が必要なのだなと思いました。
マーゴとリンカーンの出会いはバツの悪いものでしたが、
でもそこでチョッピリ予感はありました。
あ、この二人ちょっといい感じ、って。
アレクサンダー・スカルスガルドのこの感じ。
好きだなあ・・・。
メイジーでなくても、好きになりますって。
「メイジーの瞳」
2012年/アメリカ/99分
監督:スコット・マクギー、デビッド・シーゲル
出演:ジュリアン・ムーア、アレクサンダー・スカルスガルド、オナタ・アプリール、ジョアンナ・バンダーハム、スティーブ・クーガン
子供の心情度★★★★★
満足度★★★★☆

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ロック歌手の母(ジュリアン・ムーア)と美術商の父(スティーブ・クーガン)を持つ
6歳メイジー(オナタ・アプリール)。
この2人が離婚したため、メイジーは10日毎に
二人の家を行ったり来たりすることになります。
父はベビーシッターのマーゴと、
母はバーテンダーのリンカーンと暮らすようになるのですが、
相変わらず二人は仕事に忙しく、
10日ごとのメイジーのお迎えすらおろそかに・・・。

子供そっちのけで口汚く喧嘩する夫婦の図は非常にありふれているのですが、
本作はメイジーに寄り添った描写で、
両親の不和が非常に不安なものに見えます。
メイジーを取り合い、愛していると口では言いながら、
結局は自分の都合ばかりを優先する父と母。
しかしメイジーは、気丈にもじっと耐えています。
メイジーの友人が泊まりに来るシーンがあるのですが、
彼女は夜中にホームシックで泣き出してしまい、
お父さんに迎えに来てもらいました。
本当はそういう年頃なのです。
メイジーはそうした点で、強いというよりも、
強くならざるを得なかったということが読み取れて、切なくなります。
メイジーは父や母よりも、
それぞれのパートナーであるマーゴやリンカーンといる時のほうが長くなってきます。
また、そうしている時のほうが心に安らぎを覚えるようになってくる・・・。
ある時は、学校のクラスのみんなに
リンカーンを「私の新しいパパよ」と紹介したりします。
母親にかまわれないメイジーの気持ちを汲み取り、
彼女に何かと気遣ってくれるリンカーンの気持ちが
すんなりと彼女に通じたのでした。
しかし、そんなことすら母にとっては面白くないという・・・。
そもそもメイジーの父母こそが未熟なのですね。
血のつながりだけが親子の証ではない。
いえ、この場合はその血のつながりこそがむしろ厄介だ。
心と心で寄り添うことができるかどうか。
そこが肝心ということなのでしょう。

離婚した両親の間を子供が行き来する作品はとても多いですが、
ここまで子供の気持ちにストレートに標準を合わせた作品はなかったように思います。
別れるのは仕方ないにしても、
少しでも子供に不安を感じさせなように、十分な配慮が必要なのだなと思いました。
マーゴとリンカーンの出会いはバツの悪いものでしたが、
でもそこでチョッピリ予感はありました。
あ、この二人ちょっといい感じ、って。
アレクサンダー・スカルスガルドのこの感じ。
好きだなあ・・・。
メイジーでなくても、好きになりますって。
![]() | メイジーの瞳 [DVD] |
ジュリアン・ムーア,アレキサンダー・スカルスガルド,オナタ・アプリール,ジョアンナ・ヴァンダーハム,スティーヴ・クーガン | |
ポニーキャニオン |
「メイジーの瞳」
2012年/アメリカ/99分
監督:スコット・マクギー、デビッド・シーゲル
出演:ジュリアン・ムーア、アレクサンダー・スカルスガルド、オナタ・アプリール、ジョアンナ・バンダーハム、スティーブ・クーガン
子供の心情度★★★★★
満足度★★★★☆