映画と本の『たんぽぽ館』

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マリーゴールド・ホテル 幸せへの第2章

2016年04月07日 | 映画(ま行)
事業拡大はいかに



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前作「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」がとても好きだったので、
迷いなく見ましたが・・・。


インド、ジャイプールで余生を過ごそうと思ってやってきたイギリス人シニア達。
若き支配人ソニー(デブ・パテル)は、
副支配人ミュリエル(マギー・スミス)とともにホテル拡大を狙って奔走中。
なんと意外にも冒頭は、アメリカにいる二人から始まるんですよ! 
マリーゴールド・ホテルが軌道に乗ってきたので、同様のホテルをもう一つ作りたい。
その資金調達のためにやってきたのです。
その審査のために、近々調査員を派遣すると言われて帰国する二人。



さてマリーゴールド・ホテルでは、目下ソニーと彼女の結婚式を控えて、
準備で慌ただしい。
ただしその当のソニーは、ホテル拡張のことに夢中で気もそぞろ。
結婚式なんかどうでもいいと思っているようなのですが・・・。
そんな時、不意にやってきたホテルの客ガイ・チェンバース(リチャード・ギア)。
ソニーはこれが調査員だと勝手に思い込み、さっそくゴマをすり始めますが・・・。



私の好きなキャラクターはジュディ・デンチ演じるイブリン。
彼女は70半ばにして、この地で仕事を始めるのです。
始め、ひたすら余生をのんびり過ごしたいと思い
ここへやってきた彼女だったわけですが、
意外にもまだまだ「余生」ではない、新しい人生を歩み始めた。
いくつになってもこんな風に生きがいを持つのはステキなことだな。
って、仕事を引退したばかりの私が言うのも変ですが。
(今はひたすら休みたいので、勘弁を)


さて、そんな彼女へ思いを寄せるダグラス(ビル・ナイ)は、
彼女の気持ちを慮って、なかなか踏み込めない。
いい年した老人たちなんですが、こういう思いの切なさはいくつになっても同じものなんですねえ。
若い人には違和感あるかもしれないけれど、
私も似たような年齢になると、それはアリだろうと思います・・・。



というわけで、まあ楽しませてはもらいましたが、
けれどもわざわざ続編を作るほどのことはなかった、
というかむしろ、なくても良かった、というのが正直な感想です。
前作がいい感じで一つの完成形でした。
本作は蛇足。

「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第2章」
2015年/イギリス・アメリカ/123分
監督:ジョン・マッデン
出演:ジュディ・デンチ、マギー・スミス、ビル・ナイ、デブ・パトル、リチャード・ギア

異国情緒度★★★★☆
満足度★★★☆☆