映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

デビル

2019年08月07日 | 映画(た行)

運命の対決

* * * * * * * * * *


IRA特殊工作員のフランキー(ブラッド・ピット)は、
大規模なテロ計画を控えて、武器調達のためローリーと名を変えてニューヨークに潜伏します。
ローリーはアイリッシュ系の実直な警官・トム(ハリソン・フォード)の家へ下宿しますが、
トムと家族のあたたかさに触れ、信頼関係を築いていきます。
しかしやがて、トムがローリーの秘密に気づいてしまいます。

20年前のブラッド・ピット。
いいですよねえ・・・。
しかも本作はハリソン・フォードとの共演。
なんとも美味しい作品なのでした。



北アイルランドの紛争が背景に在り、
フランキーは子供の頃に父親を目の前で銃殺されているのです。
そのため長じてはIRAの腕利き工作員となり、
これまでにも何人もの人を殺害してきた。
そんな彼がアメリカの平和な家庭で平和な時間を過ごす。
静かな夜。
彼は自分には別の生き方もあったのかもしれない・・・と、
そんな感慨を持ったかもしれません。
そんな想像を呼び起こす情景描写もステキです。


一方トムは警官でありながら、これまで銃で人を死なせてしまったことはない。
紛争のための武器の密輸などというのは、彼が最も受けいれられないことなのです。


良き信頼関係で結ばれた二人が、けれども互いの立場を知り、意識したことで生まれる葛藤。
この配役でエンタテイメント作品かと思いきや、
なかなかじっくり見せる作品なのでした。

本作の監督アラン・J・パクラ氏は98年に事故死していまして、本作が遺作なのだそうです。
あ、この間見た「ペリカン文書」もこの方の監督作品。
あれま、ファンになるには遅すぎですかね・・・。

デビル [DVD]
ハリソン・フォード,ブラッド・ピット,ルーベン・ブレイデス,トリート・ウィリアムズ,マーガレット・コリン
Happinet(SB)(D)

<WOWOW視聴にて>
「デビル(1997)」
1997年/アメリカ/111分
監督:アラン・J・パクラ
出演:ブラッド・ピット、ハリソン・フォード、マーガレット・コリン、ルーベン・ブラデス、トリート・ウィリアムズ
心の交流度★★★★★
サスペンス度★★★★☆
満足度★★★★☆