映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

響 HIBIKI

2019年08月18日 | 映画(は行)

タカビーで過激な少女

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文芸雑誌「木蓮」編集部に一編の新人賞応募作が届きます。
それは応募要項を無視していたためにそのまま破棄されるところだったのですが、
編集者花井ふみ(北川景子)が目を留めます。
「お伽の庭」という題名のその小説は、
15歳の女子高生・鮎喰響(あくいひびき)(平戸友梨奈)によって書かれたものですが、
ふみはそこに類まれな才能を見出すのです。
ところが、その響は、まさに天才少女ではあるけれど、
なんとも過激で危険な少女でもあった・・・。

毎年、年に二度ずつ繰り返される芥川賞・直木賞受賞を巡っての悲喜こもごも。
そんな事情を交えて、「小説」に向けた様々な人々の思いが表されています。
小説家を志す者にとって、この“響”は、理想像なのかもしれません。



ストーリーは溢れ出るように浮かんできて、誰もが感動を口にする。
本人はただ読んでもらって感想が聞ければ良いと思っているので、
賞とかにはさほど興味がない。
しかし自分に踏み込み、自分に敵意をむき出すものについてはあくまでも戦う。
暴力も辞さないし、そうしたことの周りの評判なんか気にしない。
こんなふうに強くなれたらいいなあ・・・と、思う。
そういう少女像。

タカビーで過激、けれどやはり少女。
そんなところがステキだし、また彼女に常に寄り添おうとするふみさんも、
大層大人で心地よいのでした。


結構気に入りました。

響 -HIBIKI- DVD通常版
平手友梨奈,北川景子,アヤカ・ウィルソン,小栗旬,柳楽優弥
東宝



<WOWOW視聴にて>
「響 HIBIKI」
2018年/日本/104分
監督:月川翔
原作:柳本光晴
出演:平戸友梨奈、北川景子、アヤカ・ウィルソン、柳楽優弥、小栗旬

芥川賞・直木賞の悲喜こもごも度★★★★★
満足度★★★★.5