CIAやホワイトハウスをはめたのか、利用されたのか・・・?
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民間の航空機パイロットがCIA偵察機のパイロットとして転身、
更には麻薬の運び屋も兼ねるようになったという、
実在の人物、バリー・シールの物語です。
1978年、バリー・シール(トム・クルーズ)は
偵察機のパイロットとしてCIA極秘作戦に参加するようになります。
主に中南米の国々を回るのです。
そんなことで、麻薬王パブロ・エスコバルらと接触。
運び屋としても天才的な才能を見せるように・・・。
CIAやホワイトハウスの司令に従いつつ、同時に麻薬密輸ビジネス。
それは数十億の荒稼ぎとなり、家の中で現金を隠す場所にも困るようになる。
彼の住むアーカンソーの小さな田舎町ミーナは、
そのおこぼれで異常な経済発展を遂げる・・・。
社会派でありつつも、笑ってしまうしかないコメディです。
バリー自身も相当抜け目がない奴ではありますが、
政府側、CIAやらホワイトハウスの陰謀もかなりあくどい。
クーデターや内乱に揺れる諸国を少しでもアメリカ有利に傾けるよう武器を送り込んだり、
兵士を連れてきて訓練したりまでする。
表題で「アメリカをはめた男」とあるのですが、
何のことはない、体よく利用されただけ、という気もします。
使いみちに困る程のお金を得ても、そう幸せそうではない。
(実のところ闇の仕事で得た現金なので、おおっぴらには使えないのです。)
妻の弟(未成年)に倉庫の清掃の仕事を与えたのですが、
彼は家のお金を盗んで高級車を買ってしまう。
しまいきれずにはみ出ている現金を、盗むなという方が無理がある・・・。
バリーや妻は未成年に大金を持たせるようなことは良くないと、
ごく普通の良識を持ってもいて、なんとも皮肉なエピソードなのでした。
絶対に金持ちになりたいとか、アメリカ政府の方針に心酔しているとかではなくて、
ただひたすら運命のなすがまま、
その時々で「できる」ことをして、流されているだけのようにも見えるバリー。
でも本当に大事なのは家族、という根っこだけは持っている。
そして、パイロットとしての腕は一流。
こんなユニークな人物、まさにトム・クルーズにうってつけ。
非常に面白く拝見しました!
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バリー・シール アメリカをはめた男[AmazonDVDコレクション] [Blu-ray] |
トム・クルーズ,ドーナル・グリーソン,サラ・ライト・オルセン,E・ロジャー・ミッチェル,ジェシー・プレモンス | |
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン |
<WOWOW視聴にて>
「バリー・シール アメリカをはめた男」
2017年/アメリカ/115分
監督:ダグ・リーマン
出演:トム・クルーズ、ドーナル・グリーソン、サラ・ライト、E・ロジャー・ミッチェル、ジェシー・プレモンス
荒稼ぎ度★★★★☆
満足度★★★★☆