この夫でなければ、務まらない
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鳥類学者の相馬日和(ひより)(田中圭)と少数野党党首の凛子(中谷美紀)は
結婚して10年になります。
ある時、野鳥観察の長期出張に出かけた日和は、電波の届かないところで10日間を過ごします。
そして帰ってきてみれば、なんと妻は日本初の女性内閣総理大臣になっていた!!
日和は否応なく「総理の夫」という立場になりますが、
妻の夢を全力で応援しようと決意します。
私がそうだろうなあ・・・と思うのは、
凛子は別に偉くなりたいのではなくて、自分の理想とする社会を作りたくて、
そのためにはこの地位に突くのが一番の早道だと思ったから、なのですね。
私は常々思っているのですが(久能整風)、
女性がそのような地位に就くのは、そうした理由が大きいと思うのです。
ヒエラルヒーのトップに立ちたい、他の者を従えたい、
というのは男性的思考だと思います。
そして、女だから頑張るというのではなく、
たまたま今この地位に就いたのが女性だっただけ、という意味合いも好きです。
そういう彼女のあり方を理解し受け入れて協力するという
この日和さんも、なんて理想的な夫でありましょう!
「もし私が総理大臣になったら、何か不都合はある?」
と凜は日和に聞きます。
日和は特に何も言わないけれど、本当はあったのです、不都合が。
総理官邸に引っ越しをして、自宅で好きだった野鳥の観察ができなくなってしまった。
何があるか分からないから出張は控えるようにと言われ、研究も滞りがち。
しかも、凛子を追い落とそうとする政敵は、
何かスキャンダルのネタを探そうとして、日和につきまとったりもする。
総理の夫も楽ではありませんね・・・。
それでも、妻に協力を惜しまない日和。
愛ですねえ・・・。
ただ、この日和が大資産家の御曹司であるという設定が、ちょっと気に入らないけれど・・・。
さてしかしそこへまた、最大の危機が!!
本来危機ではない、おめでたいことなのに、凜が妊娠。
切迫流産で仕事にも支障が・・・。
さあ、どうする!!
女性であることの最大の難関。
やはりこの問題は避けて通れない。
紆余曲折ありながら、二人で最後に出した結論は納得のいくものでした。
そろそろ実際に日本でも女性総理が誕生して欲しいけれど・・・、どうでしょう?
岸部一徳さん演じる政敵、原九郎のいかにもイヤラシイ、ハラグロな感じがナイスでした!
<Amazon prime videoにて>
「総理の夫」
2021年/日本/121分
監督:河合勇人
原作:原田マハ
出演:田中圭、中谷美紀、貫地谷しほり、工藤阿須加、片岡愛之助、余貴美子、岸部一徳
夫婦の相性度★★★★★
満足度★★★★☆
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