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スパイ・レジェンド

2015年09月01日 | 映画(さ行)
師匠と弟子の微妙な確執



* * * * * * * * * *
 
ピアース・ブロスナン、
007ダイ・アナザー・デイで5代目ジェームズ・ボンド役を卒業以来、
12年ぶりのスパイアクションです。



本作主人公ピーター・デヴェロー(ピアース・ブロスナン)は、
このピアース・ブロスナンと微妙にダブって、元CIAの敏腕エージェント。
今は穏やかな引退生活をしていましたが、
元同僚に呼び出されて仕事を依頼されます。
ロシアで潜入捜査中のナタリアを連れ帰って欲しいというのです。
実は彼女はピーターの元恋人。
しかし、彼女はなんと彼の目の前で殺されてしまうのです。
しかもCIAの自らが育てた若手エージェント、デヴィッド・メイソン(ルーク・ブレイシー)によって。
ロシアの暗殺者とCIAを敵に回し、
ピーターの孤独な戦いが始まる・・・。



スパイアクションはやや食傷気味、
しかも今更ピアース・ブロスナン・・・?
ということで、公開時は見逃していたのですが、意外と面白かった。
本作のいいところは、ピーターが敵対する最大の相手が、
以前若手の後輩としてみっちり指導してきたデヴィッドというところ。
ピーターは「奴が通った後に生き残ったものはいない」ということで、
ノーべンバー・マンと呼ばれていて、厳しく口うるさい上官ではありましたが、
デヴィッドは尊敬していたのですね。
以前、敵に利用されることになるので「女と親しくならないように」と
ピーターに言われたことを守って女遊びもしないでいたくらいです。
ところが、そのピーターにかつて愛した女性がいて、
子どもまでいると知ったデヴィッドは・・・。



アメリカ映画に多い「父と息子の確執」にも似たこの二人の関係が、
ヒリヒリとしてスリリングです。

何度か命がけの対峙をしますが、
でもラストでは言葉もかわさないのに通じ合う連携プレイ。
微妙な愛憎を見せるこの二人の関係性こそが本作の花であります。
あ、でもヒロイン、アリス・フルニア(オルガ・キュリレンコ)も花!! 
美しい~!!
そう言えば彼女もボンド・ガールの経験ありですね。



スパイ・レジェンド [DVD]
ピアース・ブロスナン,オルガ・キュリレンコ,ルーク・ブレイシー
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

「スパイ・レジェンド」
2014年/アメリカ/108分
監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:ピアース・ブロスナン、ルーク・ブレイシー、オルガ・キュリレンコ、エリザ・テイラー、カテリーナ・スコーソン
師匠と弟子の確執度★★★★★
満足度★★★★☆


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