元妻と元々妻が同居!?
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モデルからデザイナーへの転身を図るジェイド(イングリッド・ボルゾ・ベルダル)。
初のファッションショーを成功させるため、準備に励んでいます。
しかしそんな時、スポンサーでもある夫・ニック(ハルク・ビルギナー)が
若いモデルと恋仲になり、離婚を申し出るのです。
ニックは慰謝料代わりに、ジェイドにマンションを残しましたが、
何とそれは彼の元妻マリア(カーチャ・リーマン)との共同名義。
さっそくマリアが家に乗り込んできて、微妙な関係の二人が一緒に暮らすハメに・・・。
元妻と元々妻。
その丁々発止よりも、本作はこの2人の女性のこれまでの生き方の差異に注目すべきでしょう。
マリアは、高学歴ながらも結婚し子どもができたが故に、仕事は持たなかった。
専業主婦。
確かにこの年齢ならそういう女性がほとんどかもしれません。
彼女が40歳くらいの時に夫をジェイドに奪われ、離婚となったわけです。
しかし娘一人と孫も一人、孤独な人生というわけではありません。
一方ジェイドは、若くしてニックをマリアから奪い取り結婚。
モデルの仕事は続けてきたものの、40歳近くなりさすがにモデルはムリになってきて、起業したわけです。
子どもナシ。
しかし、自分が前妻マリアを追いやったのと同じくらいの年齢になって、
夫はまたもや、若い女性に走る・・・。
離婚はしてもジェイドは仕事があって毎日が忙しい。
マリアは仕事をしたいと思いながら何のキャリアもなく、今さらいい勤め先も見つかりません。
やむなく文学の講座を開いて、数人の聴講生が集まったりはしますが・・・。
孫の世話を押しつけられたりもして、これまでの人生をむなしく思ったりもする・・・。
結局、女としての生き方を問う作品なのでしょう。
この場合、ジェイドは仕事に励み、
マリアは家事を分担するというのが合理的解決なのだろうな・・・やはり。
そこのところが当たり前すぎて少し面白くない。
それにしても、気軽に若い女性を求めて離婚する男。
最低のクズ男。
二人はその点では意見が一致しますが、それでもジェイドはまだ諦め切れていない。
悪びれずこのマンションに現れるニック。
どうにも、二人はこの男に甘すぎるような気がしますが・・・
情というのはそういうものでしょうか・・・。
わかるような、わからないような、ピントの合いにくい作品。
結局どちらにも感情移入できないからでしょうか・・・
ニューヨークが舞台ながら、ドイツ作品だった!!
<WOWOW視聴にて>
「ニューヨーク 最高の訳あり物件」
2017年/ドイツ/110分
監督:マルガレーテ・フォン・トロッタ
出演:イングリッド・ボルゾ・ベルダル、カーチャ・リーマン、ハルク・ビルギナー、ティンカ・フュルスト
最低男度★★★★☆
満足度★★.5
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