映画と本の『たんぽぽ館』

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ファヒム パリが見た奇跡

2020年09月02日 | 映画(は行)

少年の才能が奇跡を呼ぶ

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実話を元にしています。

バングラデシュで天才チェス少年として有名なファヒムですが、
8歳の時、父親と共に家族を残してパリに移り住むことにします。
2人は政治難民としてパリで暮らすことになりますが、
正式な滞在許可が下りなければ、強制送還になってしまうのです。

そんな中、ファヒムは著名なチェスのコーチの1人、
シルヴァン(ジェラール・ドパルデュー)のチェス教室に通うことになります。
怒鳴り散らすシルヴァンをファヒムは苦手に思っていましたが、次第に友情を築いていきます。

いよいよ、チェスの国内大会がスタート。
しかしファヒムの父には強制送還の脅威が迫っています・・・。

 

ファヒムは実際頭がよくて、フランス語も瞬く間に習得。
移住手続きの通訳のインチキを見抜くシーンはお見事でした!

どんなところにも、いろいろな“才能”は眠っているものです。
ファヒムはその才能で、パリでの生活を勝ち取っていく。
ただそのためには、周りの人々の助力も欠かせません。
同じチェスの教室に通う子どもたちの友情もまた、心地のよいものでした。
しかし反面、差別や偏見、そういうものも多くあるのです。

あまりにもひどい国自体の貧しさとか政情不安・・・、
国家間の格差は全く解消されませんね。

本作は「奇跡」と呼ぶべきまれな出来事で、通常はあり得ないのだ、
と暗に言っているわけでもあります・・・。

 

こんな話がたった一つの奇跡ではなく、まあたまにあること、くらいの世の中になるといいな・・・。
というか、わざわざよその国に来なくても自国にいながら
世界の舞台にも立つ事ができれば、それが一番いいのですけれど。

サツゲキにて

「ファヒム パリが見た奇跡」

2019年/フランス/107分

監督:ピエール=フランソワ・マンタン=ラバル

出演:アサド・アーメッド、ジェラール・ドパルデュー、ミザヌル・ラハマン、イザベル・ナンティ

 

世界と格差を考える度★★★★★

サクセススト-リー度★★★★☆

満足度★★★★☆

 



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