主婦になるための学校
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1967年フランス、アルザス地方にあるヴァン・デル・ベック家政学校を舞台としたお話。
ポーレット(ジュリエット・ビノシュ)は夫の経営するこの花嫁学校の校長を務めています。
全寮制のこの学校に今年は18名の少女が入学してきました。
そんなある日、夫が突然死。
ポーレットはその時初めて学校が破産寸前であることを知ります。
そんな中、パリで5月革命が勃発。
ポーレットや生徒たちは、これまでの自分たちの考えに疑問を抱き始めて・・・。
料理や掃除、育児に手芸・・・、
主婦として必要なことを学ぶ「花嫁学校」というのは確かにありました。
私の世代だと、まだ普通に短大の家政科がありまして、
女は結婚して家庭に入り、死ぬまで夫に従って暮らすのが当然の女のあり方であった、
というのはいずこも同じなのだなあ、という感慨を持ちました。
欧米はそうではないと、なんとなく思っていたかも知れません。
こういう世代なので、自分が通ってきた時代の出来事を歴史の教科書で学ぶことはなく、
5月革命って何?と思ったりする、なさけない話です・・・。
つまりちょうどその頃、全世界的に学生運動が起こり、
旧来の価値観からの脱却を提唱し始めたのですね。
女であることの不自由からの脱却の道を、
ポーレットは身をもって生徒たちを引き連れて歩み始める。
女性が結婚して夫に付き従うだけのあり方について、
実はポーレットは不満を持っていたのでした。
でもあくまでも女の生き方はそういうものだと、無理矢理思おうとしていたし、
生徒たちにもそう教えていたわけです。
けれど夫の死や世の中の動きで、自分らしい生き方をしたいと思い始める。
悪くはない。
実にその通り。
あまりにも予想通りのストーリー。
でも、そこから半世紀を経た今、新しい社会通念を誰もが知っているはずながら、
いまもってなお男性の意識はほとんど変わらず、
女性は多くの矛盾の中でもがいているというのが現在の実態のような気がします。
だからやはり取り上げて欲しいのはそういうことで、
なんで今さらこんな話なのかと、若干思ってしまいました。
単にそういう「女性の歴史」の話と思えばいいのかな。
<シアターキノにて>
「5月の花嫁学校」
2020年/フランス/109分
監督:マルタン・プロボ
出演:ジュリエット・ビノシュ、ヨランド・モロー、ノエミ・ルボフスキー、
エドゥアール・ベール、フランソワ・ベルレアン
フェミニズム度★★★☆☆
満足度★★.5
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