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ぼくと魔法の言葉たち

2018年07月05日 | 映画(は行)

人の可能性は計り知れない

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自閉症のため2歳で突然言葉を失った少年のドキュメンタリー。

サスカインド家の次男オーウェンはそれまで順調に育っていたのですが、
2歳のとき突然コミュニケーションが取れなくなります。
しばらくしたある時、家族はオーウェンがモゴモゴ繰り返していた意味不明の言葉が
毎日繰り返し見ていたディズニーアニメ「リトル・マーメイド」の中のセリフであることに気がつきます。
そして父が、ディズニーキャラクター、オウムのイアーゴのぬいぐるみを手に取り、
身を隠しながらオーウェンに語りかけてみると、なんと的確な答えが返ってきたのです!! 
5年ぶりに耳にした息子の言葉でした。
ディズニーアニメは人の感情がわかりやすく単純に描かれているので、
オーウェンにとっては理解しやすいものだったようです。
家族はディズニーアニメを通じてオーウェンの言葉を取り戻すための作戦を取ることにします・・・。

先日見た「ワンダー 君は太陽」を思い出しました。
こちらの家族は両親とお兄さん。
「ワンダー~」の方と家族構成がよく似ています。
オーウェンの兄ウォルトも、オーウェンのことをとても大事に思っています。
ただしこちらはドキュメンタリーなので、彼の内心にまでは触れていませんけれど。

ここでも両親のオーウェンへの愛情が余すところなく感じ取れます。
次第に自分たちが年老いていき、オーウェンの面倒も見られなくなっていくこと
にひどく胸を痛めているのです。
そのため長男が、その後は自分しかオーウェンの面倒を見るものはいないと、覚悟を決めている。
けれど、本作を見ていて思いました。
この地では、オーウェンのような障害のある方に対してのサポート体制がきちんとできているのだなあ・・・と。



オーウェンは実家を出て自立し、仕事を持つようになります。
ディズニーアニメのおかげで、言葉は取り戻したけれど、
それですべてが解決したわけではありません。
はじめての事柄についてはなかなか難しいこともあります。
そんなところを、家族だけでなく社会でサポートする仕組み。
それが大切なんですね。



それにしてもオーウェンはチャーミングな青年で、
もし近所にいたらぜひお友達になりたいと思いました
何らかの障害があったとしても、人の可能性というのは計り知れないものですね。

ぼくと魔法の言葉たち [DVD]
オーウェン・サスカインド,ロン・サスカインド,コーネリア・サスカインド,ウォルト・サスカインド
トランスフォーマー

<WOWOW視聴にて>
「ぼくと魔法の言葉たち」
2016年/アメリカ/91分
監督:ロジャー・ロス・ウィリアムズ
出演:オーウェン・サスカインド、ロン・サスカインド、コーネリア・サスカインド、ウォルト・サスカインド

家族愛度★★★★★
ディズニー力度★★★★☆
満足度★★★★☆



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