命と絆をつなぐ細い糸
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学生時代の友人、僕(北村匠海)とユウスケ(中川大志)。
同じく大学時代の友人・森が自殺したことを知ります。
就職をしたものの、上司からのパワハラに悩み、
SNSに思いを吐き出すことでどうにか自分を保っている「僕」。
調子がよく、そつなく仕事をこなし、女性との付き合いも盛んだけれど、
実のところ誰のことも愛せず、今さえよければいいと、空っぽのユウスケ。
この2人が、森の死をきっかけに生きる意味や愛することを見つめ直します。
冒頭、「僕」と思われる人物の危うく不安定な行動のシーン。
ここのところは、「僕」が森の死を知ったときに、
死んだのは森ではなくて自分でもおかしくなかったと思い、
森に共感する「僕」を表現しているのでしょう。
実際、ほとんどビルから飛び降りてしまいそうに・・・。
そんな「僕」の心に寄り添うのが、同じ職場の同僚の「私」(古川琴音)。
彼女は「僕」が上司に対して思っていることを実際に口に出して告げて、
あっさり仕事を辞めてしまいます。
自分のやりたいことに正直。
カッコいいなあ・・・。
一方、いつもユウスケは付き合う女の子とは遊び程度の認識しかなく、
本気になった女性達はストーカーまがいになってしまうなど、
「壊れ」てしまうのです。
この度も、菜穂(松岡茉優)と付き合い始めるのですが、
彼女は人一倍結婚願望が強かった。
そこで2人の間に起こるいざこざが実に恐い。
しかしそんな中でもユウスケは、死んだ森のことが頭から離れないのです。
というのも、森が自殺したと思われる少し前に、彼からユウスケに電話が入っていた。
スマホに「森」と表示されたにもかかわらず、
ユウスケは誰なのか分からず、スルーしてしまっていたのです。
もしあの時きちんと電話に出ていれば・・・、と、思わずにいられない。
そんな彼が、森の死を知らせてある頼み事をするために、「僕」に電話をします。
「僕」は、ユウスケの名前をやっとなんとか思い出せたくらいでしたが、
とりあえず電話を受けた。
つまりそこからこの物語は始まると言っていい。
学生時代、森もユウスケも「僕」も特別親しかったわけではないのです。
今、名前と顔をようやく思い出せるかどうかという所。
もちろん大学を出てから会ったこともありません。
そんな相手からの電話に、出なかったから失われたのかも知れない命。
そして出たから救われたのかも知れない命。
絆と命は、そんな細い糸のようなもので繋がったり繋がらなかったりする・・・。
生きるためにはそんな細い糸が、時には必要でもあるわけです。
北村匠海さんと中川大志さん主演ということで、
実はもっとキラキラ作品を想像していましたが、ずっしり心に迫る作品でした。
若手イケメン俳優が実力俳優にステップアップしていくためにはこういう作品が必要なのです。
お2人の今後の「ダメ男」役にも期待。
<サツゲキにて>
「スクロール」
2023年/日本/117分
監督:清水康彦
原作:橋爪駿輝
出演:北村匠海、中川大志、松岡茉優、古川琴音、水橋研二
イタい青春度★★★★☆
満足度★★★★☆
いつもブログを見させていただいている
チビクロですにゃ。
ありがとうございますにゃ🌼
見てみたい映画ですにゃ。
映画のHPを見てみましたにゃ。
物語もいいですが、映像が気になりますにゃ。撮影監督わ、MVなども多く撮ってる方みたいですにゃ。
冒頭が、なかなか不思議なシーンとなっているのが見所です。
ぜひご覧ください。