絶滅寸前の一族の末裔
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水木しげる生誕100周年記念作品。
「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズの原点である目玉おやじの過去と、
鬼太郎誕生にまつわる物語を描く長編アニメです。
いま、アニメを見るなら「トットちゃん」でしょう・・・
(私の中で「ウィッシュ」は問題外)と思いつつ、
先日こちらの予告編を見たら、かなり大人向けの雰囲気だったので、
見てみたくなりました。
昭和31年、鬼太郎の父(若かりし日の目玉おやじ)が、
行方不明の妻を探しに哭倉村へやって来ます。
そこは日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族が支配する山奥の村。
一方、血液銀行に勤める水木は、一族の当主の死の弔いのため、この村を訪れます。
が、弔いというのは建前で、実はある密命を受けていたのでした。
そんな水木と鬼太郎の父(水木が「ゲゲ太郞」と命名)が出会い、
次第に協力関係を結ぶことになります。
さて、当主の後継を巡って、一族に醜い争いが巻き起こりますが、
そんな中、村の神社で後継者の第一候補とされる者が惨殺されます。
そして引き続き起こる事件・・・。
水木とゲゲ太郞は、この家の繁栄の秘密を探り始めます。
ちょっとゾクゾクします。
水木はかつて南方の戦線に駆り出されて、
日本兵は意味もなく玉砕させられるような中、
かろうじて生き残り帰ってきたという経歴を持っています。
ちょっと水木しげる氏を想起しますね。
人の無残な死をいやというほど見てきた彼だからこそ、
人間ながらもゲゲ太郞や妖怪の存在に少し近いところにいるのでしょう。
結局、妖怪も恐ろしいけれど、さらに恐ろしいのは人間の欲望ということになりましょうか。
金銭欲。
名誉欲。
支配欲・・・。
世の政治家が道を踏み外すのは、こういう所が多いですねえ・・・。
さてこの作品、私、この11月末に札幌のすすきのにオープンした
「ココノすすきの」内の「TOHOシネマズ札幌」に初めて行って見ました。
新しくて心地よいです。
しかし、本作は「轟音シアター」という特別室で上映されていて、
追加料金がかかりました!!
いや、確かに迫力ある音ではありましたが、別に普通のでいいのに・・・。
シネマフロンティアで見ればよかったと思ったりして。
今後は、そういう所も注意しながら場所を選ばなくては・・・。
(ロビーにゴジラがいました!)
<TOHOシネマズ札幌にて>
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」
2023年/日本/104分
監督:古賀豪
原作:水木しげる
脚本:吉野弘幸
出演(声):関俊彦、木内秀信、種崎敦美、小林由美子、沢城みゆき、野沢雅子
鬼太郎の謎度★★★★☆
ゾクゾク度★★★★☆
満足度★★★★☆
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