弁護不可能・・・?
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第62回メフィスト賞受賞、五十嵐律人さんによる法廷ミステリ小説の映画化。
弁護士を目指しロースクールに通うセイギこと久我清義(永瀬廉)。
同じ学校で学ぶ、幼馴染みの織本美鈴(杉咲花)。
彼ら学生の間で、「無辜(むこ)ゲーム」と呼ばれる模擬裁判がはやっています。
そのゲームを仕切っているのが、在学中に司法試験に合格した天才・結城薫(北村匠海)。
ともあれ、セイギも無事司法試験に合格し、弁護士となりました。
ある日、セイギのもとに、薫から「無辜ゲームをするから来てほしい。」と呼び出されます。
セイギが指定の場所へ行くと、そこにいたのは、
血のついたナイフを持った美鈴と、すでに息絶えた薫・・・。
その時、美鈴は言う。
「私は無罪だから、弁護してほしい」と。
終始ひんやりしたムードの漂う作品です。
美鈴が持っていたナイフには、薫の血がついていて、
誰がどう見ても彼女が薫を刺したとしか思えない。
しかし、美鈴はその後黙秘を通し、
何がどうしてそうなってしまったのかを一言も話そうとしない。
こんな状況で、どのように彼女を弁護するというのか・・・???
その鍵は、この3人を巡る過去と真実。
それを少しずつ解きほぐしていく作品となっています。
弁護士を目指すからといって清廉潔白、正義の人とは限らない・・・ということですね。
美鈴とセイギは養護施設で育ち、過酷な子供時代を過ごしている。
薫は、警察官の父が、退職の後に自殺という苦しみを抱えている。
これらがもつれた糸となって“今”を作り出しているわけです。
苦くて、ヒンヤリ。
まあ、たまにはいいか。
<シネマフロンティアにて>
「法廷遊戯」
2023年/日本/97分
監督:深川栄洋
原作:五十嵐律人
出演:永瀬廉、杉咲花、北村匠海、戸塚純貴、柄本明、大森南朋、生瀬勝久、筒井道隆
ミステリ度★★★★☆
ヒンヤリ度★★★★☆
満足度★★★☆☆
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