美術品の価値を決めるのは誰?
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年老いた美術商のオラヴィは、家族よりも仕事を優先して生きてきました。
しかし、今は店もさびれて廃業寸前。
でも、店をやめる前に何か大きな仕事をしたいと思っています。
そんな時、疎遠だった娘から電話。
彼女の素行不良の息子・オットー(つまりオラヴィの孫)を、
職業体験のため、数日預かってほしいというのです。
またそんな時、オラヴィはオークションハウスで一枚の肖像画に目を奪われます。
これは価値のある作品と確信するオラヴィですが、
絵には署名がなく、作者不明のまま数日後のオークションに出品されるというのです。
オットーと共に、作者を突き止めようと調べ始めるオラヴィ。
そして、近代ロシア美術の巨匠、イリヤ・レーピンの作品であるという証拠をつかむのです。
あとは、その絵をオークションで競り落とすための資金集めが必要ですが・・・。
オラヴィは、オットー少年を引き受ける気はなくて、
ただ迷惑と思っていたのですが、この少年、実はとても機転が利いて行動力がある。
妻が生きている頃は娘も孫もよく遊びに来ていたのに、
その後は全く疎遠で、孫息子と会うのも実はずいぶん久しぶりなのでした。
でも実際、老人と少年は相性がいいんですよね。
この絵の正体が判明していく下りはちょっとワクワクします。
絵の美術的価値と、人々のお金が絡んだ事情が、
やっかいな状況を生み出していくというのも、
多分美術界ではありがちなことなのでしょう。
楽しめました。
<Amazon prime videoにて>
「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」
2018年/フィンランド/95分
監督:クラウス・ハロ
出演:ヘイッキ・ノウシアイネン、ピルヨ・ロンカ、アモス・ブロテルス、ステファン・サウク
美術品取引の闇度★★★★☆
老人と少年の相性度★★★★★
満足度★★★★☆
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