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「がん消滅の罠 暗殺腫瘍」岩木一麻

2022年01月29日 | 本(ミステリ)

代替医療の闇

 

 

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日本がんセンターの夏目医師と羽島博士は、
大手保険会社勤務の森川からまたも奇妙な事例を聞く。
住宅ローンのがん団信を利用した保険金詐欺を疑うものだった。

一方、埼玉県内では医師殺人事件が連続しており、
夏目のもとに刑事が話を聞きにやって来る。

さらには脅迫を受けているという政治家が、
「人間を人工的にがんにさせることができるのか」と訪ねてきて……。

人体という密室で起こす、前代未聞の犯罪計画の全貌とは?
背後には代替医療の闇が潜んでいた――。

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シリーズ第2作。

日本がんセンター医師・夏目の所に、
大手保険会社勤務森川から相談を持ちかけられます。
それが住宅ローンのがん団信を利用した保険金詐欺が疑われる案件。
前作同様に、がんを人為的に発生させたり、またそれを消し去ったりすることができるのか?
という問題になっていきます。

前作同様、その詳細までは実のところ私には理解が及びませんが、
現在の技術では必ずしも空想上だけのことでもなさそうなのが恐いです・・・。

本作、主張としてはがんの「代替医療」のことをいっています。
病院で保険が適用される通常のがんの治療も、
今はかなり研究が進み、早期発見できればその治癒率も相当高いものになっています。
ところが、高額で怪しげな健康食品や根拠のない治療法が未だに根強く、
そちらに頼るあまり、初期に通常の治療を受けていれば助かったはずの人が
命を落とす場合もある。
このような代替医療を野放しにしていることの危険性を言っているのです。

なるほど・・・。

がんを人為的に発生させるという前作の二番煎じのような部分は必要なのか?
と思ってしまったのですが、
代替医療については、軽々しく飛びつかないように、
肝に銘じることにする・・・という勉強にはなりました。
もっとも、そんな高額を投じるほどのお金は元々ないので心配ないと思うけど。

図書館蔵書にて

「がん消滅の罠 暗殺腫瘍」岩木一麻 宝島社

満足度★★★☆☆

 



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