映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

インシテミル 7日間のデス・ゲーム

2020年03月13日 | 映画(あ行)

大金のためのサバイバル

* * * * * * * * * * * *


米澤穂信さんの原作本は読んだのですが、
例によって内容はほとんど忘れているので、ミステリの映画でも問題ありません。


「暗鬼館」という館に「時給11万2000円で実働7日間」という求人広告につられて集まった男女10人。
何かの実験のため24時間監視されるだけ、という仕事内容です。
2日目、銃殺による死者が発見され、参加者たちは互いに疑いを抱くようになっていきます・・・。

「そして誰もいなくなった」をなぞらえて、
広間には10人のインディアン人形が飾られていたりする。
多少のミステリファンなら、この先やばいことが起こることは気がつきますよね。
いや、そもそも時給11万2000円って!! 
まともな仕事じゃないことは容易に想像がつくはずなのですが、
お金につられた人々が集まります。
だって、24時間×7日だとなんと18,816,000円。
しかしまさに、飛んで火に入る夏の虫。
次々に死んでいく参加者たち。
途中棄権なし。
大金のためのサバイバル! 
なるほど、藤原竜也さんにふさわしい配役でありました。

 

見ながら私が思ったのは、第一の殺人のあと、
彼らは自分たちの部屋の武器をすべて集めてその被害者の部屋の「容器」にしまうべきだった。
そのカードキーは皆の目の前で破棄する。
あとは皆で平和な6日間を過ごす・・・。
ところが、最後まで見て判明したところでは、そうしてもやはり無理だったのかもしれません。
何しろ、この中に「危険人物」が紛れているわけだから・・・。
凶器になるものはキッチンにでもどこにもありそうですもんね。

原作本についてはこちら→「インシテミル」

 

原作では集まるのは12人で、もっと悲惨な殺戮が繰り返されるようです。
映画約2時間のためにかなり端折った様に見受けられます。
それなので、犯人当てのミステリ風味が薄れて、
単なる残虐趣味のストーリーになってしまったように思います。

 

そして本作で私が何よりも気に入らなかったのが、
食事の支度も後片付けも、すべて女性だけがやっていたところ。
なんでだよ!! 
せめて手伝いなよ、結城くん。


<WOWOW視聴にて>
「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」
監督:中田秀夫
原作:米澤穂信
出演:藤原竜也、綾瀬はるか、石原さとみ、武田真治、平山あや、大野拓朗、北大路欣也

残虐度★★★★☆
サバイバル度★★★★☆
満足度★★.5

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿