この家が継承したもの
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非常に不気味で、ショッキングなホラー作品。
祖母エレンが亡くなったグラハム家。
エレンの娘アニー(トニ・コレット)とその夫(ガブリエル・バーン)、
夫婦の息子ピーター(アレックス・ウルフ)、娘チャーリー(ミリー・シャピロ)が暮らしています。
アニーはこれまでどうしても母を好きになることができず、
母が亡くなってもそれほど悲しみを感じられないのです。
と言うのも、母は精神を病んでいる上に最後には認知症気味でもあり、
親しみを感じる存在では無かった。
そしてまた、アニーの父親と兄も精神を病んだ末に、先に亡くなっているのです。
アニーはこの血筋を恐怖し憎んでいました。
そして、ピーターが妹を伴ってパーティーに出かけた夜、
とんでもない事故が起こり・・・。
次第にきしみ、ひび割れていく家族・・・。
ヘレディタリー(hereditary)というのは遺伝性のとか先祖代々の、と言う意味なんですね。
したがって表面的にはこの、グラハム家の狂った血統を指す訳なのですが、
実はそれよりももっと強大で恐ろしいものをも継承していると言うことになります。
母がまだ正気のあるうちに書き残したと思われるメモには
「すべて言わなかったことを許して。私を憎まないで」とあります。
アニーが知らず継承してしまったものとは・・・!
何らかの因果関係を説明できるものって、そう怖くはないのです。
例えば誰かの恨みのためにこんなことが起こった、とか。
まあ現実的かどうかは別としますが。
けれども、何でこんなことが起こるのか、
どうにも理屈が立てられない、ストーリーでつなぐことができない、
そういう理解不能のことこそが怖い。
ざわざわとした恐怖が立ちこめるばかりです・・・。
実際かなりショッキングで目を背けたくなるシーンも・・・。
冒頭のシーンにも驚かされます。
アニーはドールハウスというかミニチュアのハウスを作ることを仕事としています。
そのミニチュアハウスの一室にぐーっとカメラが寄っていって、
そこでは誰かがベッドに横たわっていて、
部屋のドアが開いて、男が入ってくる。
ミニチュアの部屋のはずだったものが、いきなり現実と地続きになるということに驚かされます。
つまりそんな風に、何者かがこの家の出来事をじーっと俯瞰している
ということかもしれません。
ヘレディタリー 継承 [DVD] | |
トニ・コレット,ガブリエル・バーン,アレックス・ウォルフ,ミリー・シャピロ | |
TCエンタテインメント |
<WOWOW視聴にて>
「ヘレディタリー 継承」
2018年/アメリカ/127分
監督:アリ・アスター
出演:トニ・コレット、アレックス・ウルフ、ミリー・シャピロ、ガブリエル・バーン
ホラー度★★★★★
満足度★★★★☆
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