映画と本の『たんぽぽ館』

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150ミリグラム ある女医の告発

2018年04月23日 | 映画(は行)

正義のために闘うこと

* * * * * * * * * *


実話に基づく社会派メディカルドラマ。


糖尿病治療薬メディアトールに、
心臓弁膜症を起こす可能性があるという重大な副作用があることに気付いたフランスの医師、
イレーネ・フラション。
しかし、製薬会社の圧力が大きく、彼女の訴えは握りつぶされそうになります。
しかしなおも声を上げ続ければ、現実に見の危険を感じ始める・・・。

大手製薬会社と闘う女医、その意志の強さの勝利なのだろうなあ・・・。
心臓弁膜症といえばまさに命にかかわることで、
実際しっかりと追跡調査をすると、相当数が薬の副作用であることも気づかれぬまま
死亡していることがわかってきます。
しかし人命に関わることとわかってもなお、製薬会社はそのことを明らかにしようとしない・・・。
薬の販売をやめればいいと言うだけではなくて、莫大な保証も関わってくるためなんですね。
これがフィクションではなくて実際にあったことというのが恐ろしいです・・・。


イレーネと共に闘う研究者の男性がいるのですが、彼のビビリ様はハンパじゃなくて、
それと比べるとイレーネはなんと凛々しい・・・。
これ、先日も言ったかもしれないけれど、やはり女性だから、という気がします。
この行動は社会的地位を失うことに等しい・・・と思うと、男性は腰砕けになってしまうのだけれど、
女性はそれに関してはさほど執着がないので、「正義」に対して、真摯なのです。


けれども実際身に危険を感じ、もしかすると家族にも危害が及ぶかもしれないと思った時、
さすがに彼女もためらってしまいます。
けれど、彼女を支え励ましてくれるのが夫や子どもたち。
このあたりがドラマとしてステキ・・・。
大切なのは正義感+支えになる何か、か。


この薬は糖尿病の治療薬なのですが、痩せ薬としても知られていて、
人気のある(?)薬だったそうで・・・。
副作用の疑いが多少耳に入ったとしても、無視して服用を続ける人もいたのでは・・・と思われます。
どんな薬も、使い方を誤れば毒、と。



<WOWOW視聴にて>
(日本未公開)
「150ミリグラム ある女医の告発」

2016年/フランス/128分
監督:エマニュエル・ベルコ
出演:シセ・バベット・クヌッセン、ブノワ・マジメル、シャルロット・レンメル、ララ・ニューマン、パトリック・リガルデ
告発の困難度★★★★★
満足度★★★.5

 



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