映画と本の『たんぽぽ館』

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「海街diary6  四月になれば彼女は」吉田秋生

2014年07月16日 | コミックス
「人の生き死に」と「お金」の話は切っても切れない

海街diary(うみまちダイアリー)6 四月になれば彼女は (フラワーコミックス)
吉田 秋生
小学館


* * * * * * * * * *

待望の新刊がでました。
最近本作の実写映画化が発表になったところで、盛り上がります!
公開は2015年初夏ということで1年ほども先なのですが、
監督は私も大好きな是枝裕和氏ということで、今からもう楽しみです。

キャストは・・
香田幸:綾瀬はるか
香田佳乃:長澤まさみ
香田千佳:夏帆
浅野すず:広瀬すず
ということで・・・
サチねえに綾瀬はるかさんというのはどうもイメージが違う気もしますが・・・。
まあ、お手並み拝見。


さて、映画の話はそれくらいにして、本巻。
冒頭は、すずのお母さんの実家、金沢でのお話。
今は亡きすずのお母さんは、金沢の老舗の呉服屋の娘でしたが、
昔気質で頑固な母(すずのお祖母さん)は
妻子ある男との不倫をした娘を許さず、絶縁状態だったのです。
このたびそのお祖母さんが亡くなったので、
すずは叔父・叔母に招かれ、姉たちとともに金沢を訪れます。


「人の生き死に」と「お金」の話は切っても切れないものらしい。
あまりにも現実的な話ですが、そういう問題が絡んできます。
このテーマは本作の別の側面にも出てきていて、
私達の生活と実はとても密着した話なのですね。
家族の死を悲しむよりまず欲得に走ってしまう人の心が悲しいですが、
これもまた現実。


後半は、すずの将来の話になっていきます。
女子サッカーのチーム新設を予定している高校から、すずに特待生の話が来るのです。
色々な思いがあって、悩めるすず。
彼女の決断を尊重しようと、そっと彼女を見守る姉たち、
そして風太をはじめとする友人たち。
生きていく限りは人は一処にとどまっていることはできません。
そこがどんなに居心地のいいところでも。
・・・となれば4月になれば彼女はやはり
この街を出て行くことになるのでしょうか・・・?
本巻ではまだその答えは出ていないのですが、
その結論が出たあたりでこのストーリーは幕が下りてしまいそうで、
今からチョッピリ寂しい思いがしてしまいます。


本巻初登場、すずの従兄弟にあたる直人がいいですね。
チョッピリチャラ男系。
超方向音痴。
けど彼のチャラ男系には理由がある。
そういう造形がとてもいい。
そして、これまでベールに包まれていた千佳の想い人、スポーツ店店長の過去が、
次の巻くらいには明るみに出るのかな・・・?


というあたりで、「つづく」です。
この本は次の巻が出るまでが長いのだなあ・・・。
ひたすら待ちます。
映画はどのあたりまでの話になるのかな?


「海街diary6  四月になれば彼女は」吉田秋生 小学館フラワーコミックス
満足度★★★★★


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