映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

2017年08月06日 | 映画(は行)
本家VS元祖???



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マクドナルド創業者レイ・クロックの実話を元にしたストーリー。



1954年、シェイクミキサーのセールスマン、レイ・クロック(マイケル・キートン)に、
一度に8台もの注文が舞込みます。
1台でもめったに売れないのに、なぜ8台も・・・?
と、興味に駆られたクロックは、
カリフォルニア州南部、バーガーショップ「マクドナルド」を直接訪ね、
店を見学させてもらいます。

そこはディック・マクドナルド(ニック・オファーマン)と
マック・マクドナルド(ジョン・キャロル・リンチ)の兄弟が、
考えうる最大の合理的サービスとコスト削減、そして高品質の商品をコンセプトとする、
大人気の店なのでした。
この店に感動したクロックは兄弟を説得し、
自分が率先となってフランチャイズ化を展開。
店はどんどん拡張していきますが、
あくまでも利益追求優先のクロックはマクドナルド兄弟と対立し、
関係は悪化していきます・・・。



マクドナルド兄弟がテニスコートに図面を引いて、
店のキッチンのレイアウトを検討するシーン、
なかなか感動的でした。
新しいことに挑戦しようとするワクワク感に満ちています。
後に思うのですが、この時ここにクロックがいなくて良かったなあ・・・と。
この兄弟はとにかく顧客満足中心。
自分たちの工夫でお客が満足すれば、自分たちもより満足。
そういうホコリが感じられるのです。
しかるに、クロックはあくまでも利益優先なのですね。
挙句にはクロックが本家を横取りみたいなことになって・・・、
マクドナルド兄弟は自分たちの名前なのに
商標登録された「マクドナルド」の看板を掲げることもできなくなってしまう。



「マクドナルド」は飲食店ではなく不動産投資ビジネスである・・・と、
そんなシビアな資本主義の見本になってしまった・・・。
どうにもこうにも、憤りを感じてやまないところではあります。
が、しかし、今や世界中にあふれ、日本にだってどの街にもあるマクドナルド。
ここまで身近だと今更文句のつけようもなく(特別好きではないけど)・・・。
考えさせられますねえ・・・。



映画としては、クロックとマクドナルド兄弟、
どちらのかの心情に寄り添うのではなく、淡々と描写しています。
特にクロックが悪人というわけでもありません。
彼自身新しいことに挑戦して、妻に良い暮らしをさせてあげたい、
彼なりの夢があります。
それが当然と見るか、行き過ぎと見るか、見る人次第。
ともあれ、一度、現実を知るには良い作品です。

ちなみにマクドナルドの実際の発音は
マクダーナル
という感じ。
アメリカで日本語読みをしても通じないようです。
「ファウンダー」は、創業者

「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」
2016年/アメリカ/115分
監督:ジョン・リー・ハンコック
出演:マイケル・キートン、ニック・オファーマン、ジョン・キャロル・リンチ、リンダ・カーデリニ、パトリック・ウィルソン

資本主義の見本度★★★★★
満足度★★★.5


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