映画と本の『たんぽぽ館』

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喜劇 愛妻物語

2021年08月22日 | 映画(か行)

割れ鍋にとじ蓋

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「百円の恋」の脚本家・足立紳が2016年に発表した自伝的小説「乳房に蚊」を
自ら脚本・監督を務めて映画化した作品。

売れない脚本家・豪太(濱田岳)は、妻チカ(水川あさみ)・娘アキ(新津ちせ)と3人暮らし。
妻との間柄は倦怠期でセックスレス。
豪太曰く、
“ムダに妻とのセックスのハードルが高い”
状況。
チカはろくな稼ぎのない夫には冷たいのです。

あるとき、「ものすごい速さでうどんを打つ女子高生」の物語を脚本にするという企画が持ち上がり、
取材のため家族3人で四国へ旅立ちます。
しかし取材対象の女子高生はすでに映画化が決まっており、
早々旅の目的を失ってしまった豪太・・・。

妻の夫に対する罵詈雑言がなかなかきつく恐ろしい・・・。
そんな彼女ではありますが、結婚前の若き日の彼女は、
豪太の才能を信じ、ひたすらに尽くし、支える女でもあったのです。
口汚くはありながら、基本的な彼女のスタンスは
実は今もあまり変わっていないのだというのが次第に見えてくるあたりが、さすがの作品。

このDVとはほど遠いダメ男の雰囲気は、
濱田岳さんでなければやはり出せないのではないでしょうか。
このダメ加減はちょっぴり母性本能をくすぐるかも知れない。

夫婦の形はそれぞれ。
この割れ鍋にとじ蓋みたいな二人、これはこれでベストマッチなんですよね。
娘役、新津ちせちゃんの豪快な食べっぷりに見惚れました。
いつも大声であれこれ言い争いをしている両親の間にあって、
子供としてはとにかくひたすら食べるしかないですもんね!

<WOWOW視聴にて>

「喜劇 愛妻物語」

2019年/日本/115分

監督・原作・脚本:足立紳

出演:濱田岳、水川あさみ、新津ちせ、大久保佳代子、夏帆

 

家族愛度★★★★☆

満足度★★★★☆

 

 



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