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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

アデル、ブルーは熱い色

2014年04月10日 | 映画(あ行)
“食べる”ことが、こんなにもなまめかしいことだったなんて



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2013年第66回カンヌ国際映画祭パルムドール賞受賞作。
原作はコミックとのこと。
邦訳されて日本でも発売されています。
非常に興味はありますが、た、高い・・・。



文学を専攻している高校生のアデルは、
青い髪の美大生エマと出会い、運命的な恋に落ちます。
アデルは自分が同性愛者であることをアデルによって自覚させられ、
彼女に開花されていきます。
それにしても大胆な同性愛の描写には息を呑みます。
ここまでのものはさすがに今まで見たことがないですね・・・。
このテーマでほぼ3時間、いくらなんでも長すぎなのでは?と思っていたのですが、
意外とそれほど長くは感じませんでした。
二人の出会い、燃え上がる気持ち、そして移り変わっていく心の変化。
私達に納得させるために実際必要な長さだったと思います。



どこまでも自分の正しい道をまっすぐ見据えるエマに対して、
アデルは自信なくふらふらしています。
友人たちに「レズなのか」と問い詰められれば、
「そうじゃない」と嘘をついて逃げてしまう。
エマなら多分「そうよ。それがどうかした?」と言うでしょう。
アデルは職業として成り立つかどうかも危うい美術の世界を突き進みますが、
アデルは安全パイの教師の道へ進みます。
子供が好きだから・・・と、彼女は言いますが
どうしてもやりたいことのようには思えない。
エマには、「文章が上手いのだから、物書きの道に進んでは?」
といわれても、そちらへ踏み出す自信がないのです。
アデルが就職すると2人の生活時間帯もずれてきて、次第に不安を感じ始めるアデル。


一見奔放で浮気をしそうに見えるのはエマなのですが、そうではない。
アデルの自信の無さが彼女に過ちを犯させるわけです。
このように考えていくと、この結末にもいたく納得させられるのです。
同性愛同士なら良いというわけではない。
二人の生き方の差が結局は道を分けることになる。



さてしかし、高校生時代のアデル。
これが異常に色っぽいのですよね。
乱れた髪が一筋顔にしだれかかる。
いつももつれ合ったような髪がいかにも邪魔そうで、でもそれをいちいちかき上げる仕草がいい。
そして彼女がものを食べるシーンというのがまた異常に官能的。
スパゲティを思い切り頬張ったり、ケバブを食べる指をなめたり・・・。
下手をすると唯のガサツな女になってしまうところですが、
なんというのでしょう、生きることの生々しさが、
まるでセックスのシーンのように匂い立つ。
食べることが、こんなにもナマめかしいことだったなんて。
肉食女子とはこのことか、と思います。
いやはや、恐れいりました。

「アデル、ブルーは熱い色」
2013年/フランス/179分
監督:アブデラティブ・ケシシュ
原作:ジュリー・マロ(コミック)
出演:アデル・エグザルコプロス、レア・セドゥー、サリム・ケシュシュ、モナ・バルラベン、ジェレミー・ラユルト
セクシー度★★★★★
満足度★★★☆☆
(・・・よく出来た作品ではあるけれど、好きというわけじゃない・・・ってことで。)


ニューヨーク、恋人たちの2日間

2014年04月08日 | 映画(な行)
ロマンスを期待すると裏切られます



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本作は2007年「パリ、恋人たちの2日間」続編。
そちらは見ていないのですが、突然これを見る気になったのは、
やはり先日見た「ビフォア・ミッドナイト」つながり。
本作は監督もジュリー・デルピーということで、彼女の多才さが伺われます。







ニューヨークに住むフランス人写真家のマリオン(ジュリー・デルピー)は、
恋人ミンガスとそれぞれの連れ子とともに暮らしています。
そこへ、マリオンの父親と妹、
そして妹の彼(マリオンの元恋人)が遊びにやってくる。
マイペースな父親、オープンすぎる妹、
そして性格が破綻している(?)妹の彼。
平和でうまく行っていたマリオンとミンガスの仲が、
珍客たちにかき回され、危うくなっていきます・・・。



うーん、日常を切り取っているつもりなのでしょうね。
この家族の会話は過激に猥雑。
飲み会の席ならいざしらず、家族の日常の会話でこんなこと・・・。
思い切りみなさんあけすけで
感情もわかりやすく、自己主張が激しい。
日本人の感覚ではちょっとついていき難い。
単なる絵空事のようなロマンスをぶち壊し、思い切り下卑た日常を取り戻す。
そういうことには成功しているかもしれませんが、
好みの点から言えば、NO。
フランスとアメリカの異文化コミュニケーションという側面もありそうですが、
どちらも身近ではない私にはよくわからない。
・・・というかこれではフランス人があまりにもお下品ということになってしまう。
ロマンチックな題名ではありますが、
その線は期待しないほうがよさそうです。

ニューヨーク、恋人たちの2日間 [DVD]
ジュリー・デルピー
アルバトロス


「ニューヨーク、恋人たちの2日間」
2012年/フランス・ドイツ・ベルギー/95分
監督:ジュリー・デルピー、クリス・ロック、アルベール・デルピー、アレクシア・ランドー、アレックス・ナオン
猥雑度★★★★☆
満足度★★☆☆☆


「星間商事株式会社社史編纂室」 三浦しをん 

2014年04月07日 | 本(その他)
やる気のないメンバーが一つになって・・・

星間商事株式会社社史編纂室 (ちくま文庫)
三浦 しをん
筑摩書房


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川田幸代29歳は社史編纂室勤務。
姿が見えない幽霊部長、
遅刻常習犯の本間課長、
ダイナマイトボディの後輩みっこちゃん、
「ヤリチン先輩」矢田がそのメンバー。
ゆるゆるの職場でそれなりに働き、幸代は仲間と趣味(同人誌製作・販売)に没頭するはずだった。
しかし、彼らは社の秘密に気づいてしまった。
仕事が風雲急を告げる一方、友情も恋愛も五里霧中に。
決断の時が迫る。


* * * * * * * * * *

社史編纂室と聞けば、なにげに地味で、
辞書を編纂する「舟を編む」のような雰囲気を想像しましたが、ちょっと違いました。
こちらのほうがもっとコミカル路線です。
この星間商事の社史編纂室というのは、いわばこの会社内の左遷場所。
使いようがない人たちが寄せ集められた場所・・・。
「社史」についても実のところあまり期待されていません。
川田幸代29歳は、根が真面目で一生懸命なのですが、
あまり人には言えない「コミケの同人誌を作る」という趣味に没頭するため、
自ら閑職を希望したのでした。
それにしてもこのチームのやる気の無さにうんざり。
でもそれが仕事だからと、社史の資料集めに奔走。
そんな中である時期(イケイケドンドンのバブル期)の資料が非常に少ないことに気がつくのです。
当時を知る人にインタビューを試みても、はかばかしい話を得られません。
そのうちその調査への妨害行為までも現れて・・・。
彼らには逆に火がつくのですね。
何が何でも「正しい社史」を作るぞ!と。


うーん、こんなに暇そうでもちゃんとお給料がもらえるのなら、
私だってこんな会社に勤めたい!!
というのが第一の感想!
そして、今さら言うまでもありませんが、
三浦しをんさんの登場人物一人ひとりのキャラ立てが楽しくて、
するすると読めてしまいます。
コミケの様子などが描かれているのも楽しい!
(実際に行ったことはありませんが・・・)
そして、幸代と同棲中の風来坊の彼氏・洋平との関係の結末は・・・?

結婚の形に決まりがあるわけでなし。
こんなのもいいなあ・・・と私は思うのです。
少なくとも、結婚のために、ずっと関わって楽しんできた同人誌を捨てる
などということがあるのだったら・・・
結婚って、自分らしさを捨てること?
と思えてしまいます。
お互いに自分らしくありつつ、お互いを尊重しあえなければ意味が無い。
だからこそ、近頃結婚にこだわらない人が増えているということか・・・・


そんな恋愛模様もありながら、肩のこらないお仕事小説デシタ。


「星間商事株式会社社史編纂室」三浦しをん ちくま文庫
満足度★★★☆☆


LIFE!

2014年04月06日 | 映画(ら行)
なんてステキな心の開放感!



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「LIFE」は1936年に創刊され、2007年まで形を変えながら出版されたグラフ誌。
その最後の時期を想定したストーリーです。
この写真管理部で働くウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、
臆病で生きることに不器用。
気になる女性に声もかけられないし、洒落た会話も苦手。
その分、彼は時々自分の妄想に浸り、ぼんやりしてしまいます。
全然アクティブではありません。
(でもスケート・ボードは得意みたいです!)
さて、LIFE誌最終号の表紙を飾る大切な写真のネガがどうしても見つかりません。
ウォルターは写真家ショーン・オコンネル(ショーン・ペン)を探すために、
“行動”を開始します。



ヘリコプターに飛び乗り、冷たい海に飛び込みサメと戦い・・・
始めのうちは、おいおい、大丈夫???
と不安に思うのですが、次第にこみ上げる爽快感。
大自然の中を、自転車、スケート・ボード、そして徒歩
・・・自分の力で進んでいきます。
なんて清々しい!!
特にスケート・ボードで山を下るシーンは、
ちょっと怖いけれども、圧巻でした。



大自然の中にいると彼の妄想が出てこなくなります。
妄想など必要ない。
これが彼のあるがままの姿だから。

 

いやあ・・・ストーリー的にはなんということはないのに、
こんなに心の開放感がある作品というのも珍しいです。
さあ、書類なんか放り投げて、外へ行こう! チャレンジしよう!
そういうストレートなメッセージが、まっすぐ飛び込んできます。


それから、やっと探し当てた写真家のショーン・オコンネルがカッコイイですよねえ。
彼を探し求めるヒントが、一つ一つ謎解きのように現れるという趣向も面白いのです。
ショーンは探し求めたユキヒョウをカメラを通して見るのはもったいない
といって、自分の目で見つめるのですが、
そうしているうちにシャッターを切る間もなく、ユキヒョウは何処かへ行ってしまいます。
写真家である前に、自然を愛し、そして人間を愛する人でもある。
・・・結局表紙を飾るべきその写真の内容がまた、
私達を唸らせます。



そして、大自然の中で生活する人々がまた、皆素朴で優しいのです。
ウォルターを助けてくれる人々のごくさり気ない親切。
大自然の中では人々は助け合わなければ生きていけない。
だからなのかもしれませんね。
お母さん役シャーリー・マクレーンがまた、いい役どころなんですよ~。
大満足の作品でした。

ワクワク度★★★★★
満足度★★★★★


「LIFE!」
2013年/アメリカ/114分
監督:ベン・スティラー
出演:ベン・スティラー、ショーン・ペン、クリステン・ウィグ、シャーリー・マクレーン、アダム・スコット、パットン・オズワルド

キャビン

2014年04月04日 | 映画(か行)
ふざけた番組作りなのか・・・?



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女子大生デイナは、仲間5人で山奥にある別荘へ行来ます。
ケータイも繋がらないというその山奥。
途中の寂れたガソリンスタンドでは、
不気味な老人にあそこへ行くと死ぬと言われるのですが・・・。


いかにも古めかしい陰湿な雰囲気の山小屋で、
彼女たちに次々に襲いかかる恐怖、そして死。
・・・と来れば、いかにもよくあるホラーものなのですが、
今作はちょっとひねりが聞いています。
この5人の様子は、小屋のいたるところに謎の組織によって張り巡らされた隠しカメラで
すべて監視されている。
そして彼らに恐怖と苦痛と死を与えるのも、彼らのコントロールするところ。
一体何のために・・・・?



物語は、ゾンビ・殺人鬼・半魚人??? 
異形の怪物たちが血みどろの饗宴を繰り広げるまでにいたっていきます。
まあ、そういうところは得意分野(?)ではなく、げんなりしてしまうのですが、
悪趣味なTV番組???と思わせておいて、
やっぱりオカルトに向かっていくという2転3転の展開が、
なかなか興味深かった。



白衣を着た研究者らしきものたちが
彼女たちの死に方についての賭けを繰り広げているなどという、
おぞましい人間たちの行動もまた、一つのホラーではあります。



彼ら5人の役割が
娼婦、戦士、学者、愚者、そして処女。
こんなふうにタロットカードを思わせたりする、
そういうオカルト風味がなかなかいい。
でも半魚人や恐竜もどきのようなものまで・・・とにかくなんでもありというのが、
あまりにも欲張りすぎで焦点ボケという気がしなくもない。
あ、製作と共同脚本が「アベンジャーズ」のジョス・ウェドン。
やっぱりね・・・。
なんでもごちゃごちゃ出せばいいというわけではないと思うけど・・・・。



キャビン [DVD]
クリステン・コノリー,クリス・ヘムズワース,アンナ・ハッチソン,フラン・クランツ,ジェシー・ウィリアムズ
Happinet(SB)(D)


「キャビン」
2012年/アメリカ/96分
監督:ドリュー・ゴダード
脚本:ジョス・ウェドン、ドリュー・ゴダード
出演:クリステン・コノリー、クリス・ヘムズワース、アンナ・ハッチソン、フラン・クランツ、ジェシー・ウィリアムズ、リチャード・ジャンキンス

異形の勢揃い度★★★★★
恐怖度★★★★☆
満足度★★★☆☆


「ワタシの川原泉Ⅱ」 川原泉

2014年04月03日 | コミックス
元祖“テッド”は、数段格上

川原泉傑作集 ワタシの川原泉II (花とゆめCOMICSスペシャル)
川原泉
白泉社


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シリーズの2巻目です。
冒頭は「オペラ座の怪人」。
本作は「笑う大天使」シリーズの続きとして描かれたものですが、
独立しても十分読み応えがありました。
柚子さんが福引でイングランドの旅の旅券を手に入れ、
それならばということでロレンス先生の実家に泊めてもらうことにします。
なんとそれは片田舎ではあるけれど、立派な貴族のお屋敷・・・。
柚子さんはそこで、
ロレンス先生の親友で新進気鋭のオペラ歌手ラインハルト(通称おハルさん)に出会います。
一人の大人としてはやや心もとないおハルさん。
しかしそこへ、動くくまのぬいぐるみ登場!!
本作も読んだことがあるのに忘れてましたねえ。
"テッド"の映画を見た時に、なぜこれを思い出さなかったのか。
おハルさんが子供の頃から常に一緒に居たテディ・ベア。
それはもう控えめで上品で優しく、
映画のテッドとは似ても似つかぬ、
というより数段品格が上。
なーんだ、こんなところに"テッド"以上の存在が以前からあったんだ・・・。
このとぼけた顔のクマさんがまた、
ラストで私達を思い切り泣かせるのです・・・。
はあ、切ない。


「ヴァンデミエール 葡萄月の反動」では
大の27歳の男が突如大人になってからの記憶を喪失し、
小学生の心に戻ってしまうというオハナシ。
蕗子さんは夏休みのバイトで、この27才の小学生覚(さとる)くんのお世話をすることに。
近所の本物の小学生も交えて、
虫取りやメンコ、三角ベース、ビー玉。
楽しい夏休みを過ごしていたのですが・・・。
覚がなぜ小学生に戻ってしまったのかという事情も切ないし、
蕗子さんが、せっせとバイトしてお金を稼がなければならない事情というのも
また切ないのです。
そういえばこの二人もまた「欠損」を抱えているのでした。
バイト先の人員整理でクビにされてしまった蕗子さん。

「先の事考えるとムネがつぶれそーだ。
ああどーしよう。
ううっ。
私が3人いて一日が30時間だったらもっと働けるのに。
一生懸命やればなんとかなると思ったんだけどな・・・
精一杯頑張ったんだけどな・・・
だけど今日のよーな日はちょっとくたびれる。
・・・5分。
5分だけ休憩しよう」

と、街角の階段に腰掛ける蕗子さん。
まだ高校生ですよ・・・。
こちらの胸のほうがよほどつぶれそーです。

兎にも角にも、川原ワールドに思い切り浸れる2冊。
オススメです。


「ワタシの川原泉Ⅱ」川原泉 白泉社
満足度★★★★★

ウォルト・ディズニーの約束

2014年04月02日 | 映画(あ行)
メリー・ポピンズは子どもたちを救いに来たのではない



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1964年、ディズニーのミュージカル映画「メリー・ポピンズ」の制作秘話。
ウォルト・ディズニー(トム・ハンクス)は
娘が愛読している児童文学「メリー・ポピンズ」の映画化をかねてから熱望していました。
でも、原作者であるパメラ・トラバース(エマ・トンプソン)にそのことを打診するのですが、
彼女は頑なに断り続けているのです。
しかし、この度とうとう、本人がイギリスからロサンゼルスへやって来た!!
ところが彼女は、書類にサインをしないままに
映画製作陣の脚本のアイデアをことごとく却下。
とにかく頑固なガミガミ婆さんに、スタッフはお手上げ状態なのでしたが・・・。



本作の主役はウォルト・ディズニーではなく、あくまでもパメラ・トラバース。
映画の苦労話とかディズニーの成功譚ではなく、
トラバースという一人の女性の心の開放を描いた物語。
というと多くの皆様の期待はしぼんでしまうでしょうか。
でもこれが素晴らしく感動的なのです。
むしろ、ここに焦点をあてたからこそ
深い物語になりました。


映画製作の話の合間にトラバースの少女時代のできごとが挿入されています。
彼女が育ったのはオーストラリア。
ユーモアがあって、彼女を夢の世界へ誘ってくれるお父さん(コリン・ファレル)が大好きでした。

けれどお父さんは、子供のあしらいは上手いのですが、
それはつまり自分自身が子供のようだったからに他なりません。
銀行員ではありますが、勤め人には全く向かず、
一人の大人としても破綻しかけています。
そういう父親への複雑な思いが「メリー・ポピンズ」に反映されている。
そういうことが少しずつわかってくるのですね。
構成が素晴らしくいいと思いました。


どうしてそんなにまでトラバースが自分の「メリー・ポピンズ」に固執するのか。
いつもNO!しか言わない頑固な老女に、
私達は事情を知るに連れ、次第に共感を重ねていきます。
最後に単身ロンドンのトラバースを訪ねたディズニーが、
語りかける言葉の柔らかさがまた胸を打ちますねえ・・・。
さすがのトム・ハンクス。
ちょっぴりディズニーの子供の頃の話が挿入されているところもいい。
決して恵まれた家庭ではなかった、ということです。
そして、トラバースもこの映画製作に関わることで、
自身の抱えていたトラウマから開放されていく・・・。
心温まる感動に満ちています。

作中で、トラバースは「メリー・ポピンズは子どもたちを救いに来たわけじゃない!」といいます。
ディスニーのスタッフは、「子どもたちを救いに来た」と思っていたのですが。
では一体、誰を?
作品を見ていけば答えは明らかですが
こうしたやり取りによって、より作品に深みが出て行く。
曲が出来上がっていく様子も非常に楽しめますね!



さて、「メリー・ポピンズ」。
私は、子供の頃見たきりでした。
是非もう一度ちゃんと見なければ・・・。


「メリー・ポピンズ」
2013年/アメリカ/126分
監督:ジョン・リー・ハンコック
出演:トム・ハンクス、エマ・トンプソン、ポール・ジアマッティ、ジェイソン・シュワルツマン、コリン・ファレル