たくらんだってわけじゃない。熟慮の末でも決してない。決めてみたらこうなった。男の芝居『イーハトーボの劇列車』。
ともかく、井上さんの追悼公演?だから。勝手に追悼しちまうわけだから、さて、何をやる、井上作品。やりたいものはたくさんあった。僕の好みとしては、中期以前の、猥雑なエネルギーに満ちあふれた井上さんをやりたかった。例えば、『日本人のへそ』とかね。
でも、今の菜の花座じゃねぇぇぇぇ・・・・・難しいんだよ、台本選ぶのって。なんたって役者のストックが薄いから。年齢は限られる、性別は限定される、力量は決まっている。これが高校生なら、ちっとばかしの冒険、いやいや思い切った挑戦も可能なんだけど、アマチュアはねぇぇぇ。
井上さんが言いたいことを目一杯言っていて、なおかつここ川西の劇団が、と言うより僕がやりたい、やらなきゃならない作品は何かって考えた時、これだったんだなぁ。
で、結果は、「登場人物、男だけじゃん!」
せりふの多いの男ばっか!賢治でしょ、父親の政次郎でしょ、変な知人福地第一郎に、西根山の山男に、熊撃ちの三十郎、人買いの神野に、刑事の伊藤、それに大切な背の高い車掌!どう?このラインナップ。男、男、男。しかもぜーんぶ中年なんだ、賢治を除けばね。
必死で中年男かき集めて、どうにかこうにか、キャスティングが終了したのが、つい先日。いつものことながら、綱渡りの菜の花座だよな。でも、決まった役者は演技力はさておき、持ち味は抜群だ。それぞれにぴったりの個性を備えている。きっかり稽古できれば、見応えのある舞台になることだろう。
それにしても、ここまで中年役者を集められるって、菜の花座もなかなか見捨てたものじゃない。さあ、第23回定期公演はおじさんの魅力で勝負だよ。
で、ポスターこんな具合。