『こころを育む総合フォーラム2010IN川西』、置農食育子どもミュージカル『ベジタブル!ワンダフル!!』と山折哲雄さんの講演の組み合わせ。まあ、軽く300は入るよな、って思っていたら、なんとぱらぱらの100人前後!これってありか?いや、子どもミュージカルやるからってことじゃない。山折さんのお話しだよ。現代日本の叡智のお一人だよ。それが身近に、しかもただで聞けるんだ。当然、ぞくぞくと集まってくるもんだと思っていた。
町の宣伝不足って面もあるとは思う。でもねぇぇぇ。なんか、川西、いや、置賜の文化レベルの現状を突きつけられたって感じで、とっても寂しい。まあ、救いは置農演劇部を日頃から応援してくださっている川西知識人の方たちがほとんどお出でくださってたことかな。(そうそう、置農の公演は大会でも、定期公演でも観客の年齢層が圧倒的に高いんだ。応援してくださってる方たちのお陰だ。)
山折さんのお話しはわすが1時間強だったけど、とても内容豊かで深みのある講演だった。童謡「夕焼けこ焼け」の歌詞を振り返りながら、夕日に惹かれる日本人の心性に潜むものを解き明かしてくださった。それは西方浄土への憧れだ。芭蕉が日本海に落ちる酒田の夕日を目指したこととか、斎藤茂吉の「赤光」の赤の意味、さらには「男はつらいよ」ではすべての編で夕日のシーンが入ったいたことなど、西欧の教会の鐘はカン、カン、Comeとなるが、日本の梵鐘はゴーン、Goneとなるとかね。「烏と一緒に帰りましょ」の歌詞からは自然と共生や、「帰る」ことの今日的意味など、次々に繰り出される話題に圧倒されながら自分自身を振り返ることができた。生きた博識ってもんの凄さをまざまざと感じさせられた1時間だった。
まっ、聞けなかった人は、損したね、ってことで、前座子どもミュージカルのことだ。
お年寄りが多いので、やりにくくなるかな?なんて心配はまるでいらなかった。笑いも盛大、反応も敏感、拍手も旺盛、少ない観客ながら和気藹々のよい舞台になった。部員たちも気持ちよく公演を終えられたみたいだ。でも、観客同様にありがたかったのは、照明をきっちり使わせてもらえたってことだ。
普段、子どもミュージカルは持ち込みのSSを上下斜め前方に置いて照らすだけ、まっ、顔見えればいいや、って味気ない明かりで公演してるわけなんだ。体育館や公民館でやる以上これは仕方ないことで、まっ、この部分は諦めて演技で勝負、歌と踊りで来い!ってことで頑張ってるわけだ。これを今回は舞台照明をきっちり付けて演じさせてもらった。これは何と言っても、今回一番の幸せだったね。
演劇やってる人ならだれだって経験してること、照明当たると一気に舞台に命が吹き込まれる、ってあれだよ。まさに、これまでの子どもミュージカルとは別物の趣があった。せっかくの劇場公演、これはビデオに残さなくっちゃ!ってことで僕は記録係に徹した。時間の都合でパンチを引けなかったので、床面が光ってしまって、それが残念だっけど、『ベジタブル!ワンダフル!!』の公式?記録映像を作ることができた。
この記録はいつかダビングをして部員全員に配ることになる。よかった、いい記録をのこすことができて。だって、彼らの一生のお宝映像になるわけだからね。