ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

当て書きの効用

2010-10-16 21:29:44 | 教育

 僕の場合、台本はすべて当て書きだ。部員たちの日頃の様子を観察し、力量を計り、持ち味を見極めて、その子が生きてなおかつ芝居が面白くなるよう書く。いや、書いているつもり。

 これがやっぱり強力なんだよね。プロじゃないから、どんな役だってこなせるなんて夢また夢。どうしたって、当人の持ち味に左右される。堅い奴は堅い奴。呆けは呆け。はっちゃきははっちゃき。まっ、そればっかじゃ面白くないんだけど、基本は持ち味を生かすってこと。

 上手く部員の個性を引き出す役やせりふが作れた時は、もちろん芝居の出来もいい。役者の人柄と喧嘩しちまうと、役作りに苦労する。

 だから、台本書くときは、ストーリーを考えながら、登場人物を一生懸命考えていく。こいつを生かすにゃどうすりゃいい?こいつのこの部分は絶対使えるよな、なんてね。

 今回の大会作品『Catch & Row』でももちろんそうだ。男たちをコミカルシーンに使ったのもそうだし、主役二人のキャラクターも当人たちの雰囲気を生かしたつもりだ。だから、自然と役に入っていっている?んだと思う。

 今回の役所で、もう!ぴったしのはまり役は、「アニメっ子亜衣ちゃん」だ。当人もアニメ大好き人間。将来はアニメの声優なんてのを目指して演劇部に入ってきた生徒だ。しかも、好きだってだけじゃない。ほんと!見るからにアニメオタクって感じなんだなぁ。いや、顔立ちもアニメっぽい?しね、ゴメン!。

 アニメっ子亜衣ちゃん、地区大会でちょっと評判だった。大会の掲示板に「アニメっ子亜衣ちゃん」かわいい!なんて書かれたりしたからね。嬉しかったろうね。そう言われたからってことでもないだろうけど、当人もこの役、かなり気に入っていて、稽古でもめちゃめちゃ生き生きしている。以前はあまり出なかった声も、かなりの声量になってきて、ちょっとびっくり!のびのびやってるから、演技も広がっていく。この役で彼女は確実に一つの壁を越えられるんじゃないかと思う。

 そう、気に入った役、没頭できる役を演じると、役者はとても育つ。自信がつくからなんだろう。で、その自信は普段の自分への自信にもつながっていく。そう、これが当て書きの効用ってもんなんだ。

 役者が気持ちよく演じられる役柄、これを大切にしなくちゃね。

 

コメント
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