なんとかかんとか、どうにかこうにか、初演を終えることができた。置農食育子どもミュージカル『どんでん森は、どっきどき』、これが第5作目だ。
今回はつらかった。なんせ大震災だ。部活は長期間停止、公演もすべて流れた。なんとかしなくっちゃとの思いと町内に避難して来ている子どもたちのことを考えて、この時期異例の単独公演を実施することにした。
小松小学校のご厚意で音楽室をお借りしての公演、ともかく準備不足なので2時の開演なのに8時半から会場入りしてリハはもちろん稽古もゲネプロもみんなさせてもらった。
宣伝は小学校と学童クラブと避難者へのチラシの配布だけ。見に来てくれるひとなんているのか?大いに不安だったが、開演直前にどとっと集まり、50人弱の親子連れで満席となった。
さて、公演は?前日の通しでは2回もの緊急停止が発生して、本番が思いやられたが、いざ幕を開けてみれば大きな失敗もなく演じ上げることができた。しかも、笑いも随所に起こって、親子同伴の公演としてはかなり良い反応だった。1時間ちょっとの舞台ほとんど飽きる子どもも出ず、最後まで集中して見てもらえた。
初演はいつでも、不満一杯の出来になるのだが、今日は思っていたよりずっとよい仕上がりになっていて、ちょっと感動した。やはり部としての実力が上がってきているってことだと思った。
会場の良さももちろんあった。声が良く通る狭い部屋で満員の観客、良い条件がそろっていたな。それを差し引いても声が随分大きくなっていたし、演技も吹っ切れたものになっていた。これだと、これからの仕上がりがますます楽しみに成ってくる。東京公演の頃にはきっと素晴らしい作品に仕上がっていくことだろう。
今回の成果は、まだ入部式前の新入部員が、7人も参加してくれたことだ。入って間もない公演。きっと驚きの連続だったと思う。先輩の偉大さに圧倒された1日だったと思う。置農演劇部の凄さに感動してくれたことと思う。この感激を、次は自分だとの意欲につなげいってほしい。まだ入部していないが、入部の意志を示している新入生も何人もいる。お互い切磋琢磨の日々が始まる。
作者として見て、うん、悪くないって思えたことが何よりの収穫だった。これなら長期の公演にも、東京公演にも耐えられる。昨年を上回る作品になるなと直感できた。そんな舞台の様子を写真で紹介しておこう。