ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

ダンスメンバーオーディション

2012-03-07 21:14:12 | 教育
 新メンバーになって最初の演歌ショー、いよいよ三日後だ。そう、なんと3/11!よりにもよって!

 この公演、実は昨年は3月12日に予定されていたものなんだ。当然、震災で中止。その後、そのとき見損ねたお年寄りが、何としても見たいとのことで、今回の公演となった。主催は南陽市中川地区公民館だ。

 演歌ショーも三年目を迎えて、そろそろリニューアルの時期だ。お年寄りは優しいから、同じ出し物でも喜んで拍手してくれる。でも、演じる立場としては、高校生だからってことでおまけしてもらいたくはない。あくまでショーとして楽しんでもらいたいし満足してほしい。

 まずは、出し物だ。コントに新作を一つ加えた。一気に2本とも新しくするってのはちょっと大変なので、まずは1本。『狙いは婆さん』という2人芝居だ。もちろん振り込め詐欺がテーマだ。銀行ATMのカード略取という最近の詐欺事例を題材に扱っている。えっ、それ町芸文祭で菜の花座がやったやつじゃないの?ばれたか!そう、その通り。あの時お借りしたシルバーカー、そうそう、婆ちゃんが散歩の時に使うやつ、途中疲れたら座れるように上が椅子になってるやつ、あれを無償で譲っていただけたので、そんなら置農でもレパートリーにしちゃえってことで、やることにした。婆さん上手いのいるからね。菜の花座で演じた顧問Nが私より上手い!とため息ついたくらいだもの。

 それだけじゃリニューアルって言えないから、新しい演歌舞踊とお祭りダンスも加える。ただし、こちらは4月から稽古するということで、講師の加藤マチャアキさんと藤柳美香次さんに振り付けを依頼中。なので今回は間に合わない。そこで、3/11でもあることだし、『漂流』から一曲入れて被災地への応援メッセージにすることにした。オープニングで漁師たちが歌い踊った「海:豊穣」だ。海が多くのものを奪ったとはいえ、やはり被災地の復興は海の豊かさ以外にないだろうから、その復活を祈り願って、「海:豊穣」にした。鎮魂の意味なら「詠唱」なんだけど、演歌ショーに組み込むには暗すぎるものね。

 さて、リニューアルの目玉はもう一つある。お祭りダンスのメイン「最上川舟歌」と「愛ダンス」のメンバーをオーデイションで選ぶことにした。「最上川舟歌」は昨年も男4人と女2人の選抜メンバーで踊っていたのだが、メンバーはすべて3年生だった。実力と学年が重なっていて、選ぶのにはまったく問題がなかった。男たちは身長、体つきも似通っていたし、女も小ぶりながら切れ味あるダンスを披露できる2人だった。

 ところが、今年はそうはいかない。2年生が4人(男3人女1人)と少ない上に、ここに来て1年女子のレベルアップが著しいからなのだ。曲調から言えば、男中心でいきたいのだが、すんなり選抜できる実力には遠い。そんな部内事情とともに、演歌ショーといえども、常に上の仕上がりを目指していきたいとの思いも強くなっていた。これから何年も地域に愛してもらうためには、高校生だから!の域を超えなくてはならない。お金出しても見たい!そうなることが目標だ。

 これまではどちらかと言えば、部内の調和重視、3年生は下手でも仕方ねぇ!って我慢して出してきた。「最上川」以外はすべて全員出演でやってきた。ダンスの立ち位置もすべて任せていたから、3年生が前。定期公演も大会作品も子どもミュージカルも実力本位だから、まっ、演歌ショーくらいはいっか?って妥協の気持ち。でも、その調和優先のなーなーが、いつまでたってもダンスの質が上がらないという結果になってしまった。下手な上に気のない踊りを見せられたんじゃお客さんだってたまらんよ。ここは一つ、心を鬼にして、競争原理を持ち込もう。オーディションで落とされる部員たちの心の傷はこちらにもちくちくと刺さってくるはずだが、やはり上を志向するなら、実力主義は貫かなくちゃならない。

 ということで、今日はそのオーディションをおこなった。選抜メンバーで踊る2曲を全員で2回踊らせて、じっくりと見た。もっとも、以前から実力主義で行く!って予告してあったから、一ヶ月近い間オーディションをしてきたってことなんだけど。競争主義のプラス面が存分に現れた。全員、必死で踊っていた。二ヶ月前に比べたら、誰もが雲泥の差だ。良くなっている。ほとんどの部員がもう一息というところまできていた。

 でも、選ばねばならない。「最上川」に6人、「愛ダンス」に10人。結果は、やっはり、2年生が落ちた。精一杯頑張ってるってことがわかるだけにこちらもつらい。いや、当人のショックは全教科赤点以上かもしれない。でも、実力主義を表明した以上、評価軸にしたがって誠実に選ぶしかない。上級生だから、って入れたんじゃ、選考を目指して頑張ってきた1年生に申し開きができない。

 講評で一人一人に足りなかったところ、良かったところを丁寧に伝えた。それと今回のメンバーが1年間固定されるわけで゜無いことも念押しした。実力差はほんのわずか、これからの精進しだいでメンバーはころころ替わるってことを強調した。誰もが自分の伸びしろを信じて、常に全力で踊りきってほしい。誰一人として諦めることなく、上手くなろうと前を向いていてほしい。ダンスの楽しさはみんなが手に入れた。もっと踊れるようになれば、もっともっと楽しくなる。自信にもつながる。そんな切磋琢磨を2曲のダンスメンバー選抜に託していきたい。

 

 

コメント (4)
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