ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

まもなく佳境!新作『ニャン婆と時之助』

2017-06-29 07:48:36 | 菜の花座

 パソコンに向かい始めて4日、台本書き、迷い戸惑いながらも、なんとか進んでる。そこまで、長かったなぁ、苦しんだものなぁ。臆病で世間知らずの飼いネコが、野生を身に着けるべく野良ネコ修行に出るって主たる筋立てはもう早くから決まっていてたんだ。そこからネコ本を読み散らして2か月、プロットをああだこうだと捏ねまわして1か月。当初の目論見なんかさっさと過ぎ去って、もう7月間近だもの。本番は9月30日と決まっているから、稽古期間3か月、もうこれ以上は遅れるわけにゃいかない。

 これで行ける!ってまばゆい光が見えたこと何度あったか。でも、翌日にはしょぼいマッチの炎となって消え去ったり、数日経つうちに幻覚だったと気づいたり、暗闇の中の行きつ戻りつ、続いたんだよなぁ。1番の悩みは、ネコたちが集う場所をどこに設定するかってこと。ネコ本で教わったのは、野良が気ままに集い暮らす所ってのは、小さな漁村、小島が多いってこと、つまり、餌がふんだんにあるってことが条件なんだが、どうもそこでのんべんだらりと暮らしているネコたちのことは書きたくない。もっと、本来の野生ネコ・リビアヤマネコみたいな、目をギラギラ輝かしたネコどもの世界に、腰抜け飼いネコを追い込んでみたいんだが、それじゃ、そんな野生派が住みついてる場所ってどんなとこよ?

 言い伝えじゃ、ふらりと山に入っていくネコがいたり、死の間際に人知れず山に行くなんてものもあるけど、そこがとんな様子なのか、何がネコたちを呼び寄せるか、どうしてもイメージが湧かなかった。野生的なネコが暮らすには、どうしたって獲物となる小動物が必要で、大量発生の可能性ってとこからすれば、そりゃやっぱりネズミなわけだ。で、ネズミが湧いて出る環境っていうと、これは山奥なんかじゃない。人の暮らす住居ってことになる。

 場所が決まらないと、ネコたちも動けない。ここがネックで思い悩んでいたわけだが、ここはもう思い切るしかない、ってことで、一人暮らしの婆さんの住まい、その屋敷内にネコを祀る祠があるって設定で切り抜けることにした。これなら、街中うろつく野良たちも野生派も、どっちも吸い寄せられるんじゃないか。見てもらっても、そう違和感ないんじゃないか。

 家ネコ時之助の腑抜けぶりを紹介して、街野良とのて出会いから、いよいよ野生派の登場!その直前までたどり着いた。野生派は人間への復讐心に燃える通り魔ネコ、ちょっとISっぽい、やら、煩悩にのたうつ化けネコ、ネズミ捕りにすべてを掛ける狩人ネコとか、ギター抱えた?風来坊とか、かなりの個性派そろいだ。

 そんなのネコの実態と縁がない!ってネコ好き人たちからは総スカンのクレーム集中になりそうだが、もともと、ネコを借りて人間の今を書きたいんだから、なんて言われたって平気だ。生きづらい世の中で、傷つきながら必死で生きる、そんな姿をネコに託したかったんだからね。とりわけ、芸術鑑賞として全校で見に来てくれる中学生に、ぐっとくるものをって思いで書いている。

 と言っても、面白くなくっちゃね。笑いや衝撃がそこら中に散りばめられていなくっちゃね。舞台に出来るいろんな手練手管を見せつけなくっちゃね。映画やテレビや音楽、ゲーム、もう有り余る楽しみの中に、あれっ、演劇ってこなんことできるんだ、へぇー、結構やるじゃない!って思いを持ってもらうのが目標だ。

 さっ、いよいよ佳境!楽しみながら苦しもうじゃないか。

コメント
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