床屋で髪切ってもらってた時、お花見しましたか?って聞かれた。あっ、そうか、世の中花見の季節なんだ。桜並木をそぞろ歩き、豪華な桜天井仰ぎつつ美酒に酔う。花の艶やかさに煽られて、人の心も浮かれ気分のほろ酔い気味。聞かれてみて、はたと気づいた、花見ってしないよなぁ!
桜の花が嫌いなんてこたぁない。庭の桜を見上げれば、その美しさに自然と頬も緩む。でも、花見って習慣はないんだ、我が家では。
桜の満開時は、農作業全開の時。稲の種まきに畑の準備、朝から晩までってわけじゃないが、疲れ切るくらいには仕事が続く。昨日だって、満開の桜を愛でつつ、堆肥を播き、トラクターを掛けた。
桜を前に愛車?写真。おっと、ストラップが写り込んじまった。
きれいに耕された畑の上を散り初めの花びらが舞う。数日もすれば、畑全面が桜小紋で彩られる。畑に散り敷く花びら、これもまた風情だ。とは言っても、いつまでも自然の織り成す意匠に見入っているわけにはいかない。
作業だ、作業、ジャガイモ植えだ。ちょっと早い気もするが、この暖かさだ、地温もぐんと上がったことだろう。それに気温に煽られてジャガイモの芽もどんどん伸びている。植穴を掘り、種イモを並べ、
合間に堆肥を一掴み、後は土を掛けて植え付け完了。
明後日は稲の種まき、ハウス内で乾燥中の育苗土と燻炭を計量しねばならん。芽出しを済ませた種もみは小屋の中で風乾中だ。もちろん、播種機械も引っ張り出して、種まき作業のスペースも整えねばならない。
なっ、花見どころじゃないだろう。って、言い訳してみたものの、どうも、理由の大半は、こちらの無風流な心持にあるような気もするなぁ。違う、違う!我が家の季節感は、田畑とともにある、ってことなんだよ。