Neflixもちょい飽きてきたかな?シリーズ最後まで見終わるってドラマが少なくなって来てる。途中、4回目あたりで、あっ、もういいや、その先わかってる!とか、やたら引っ張ろうとしてるな!とか、見始めたから惰性で見るか、って感じになってるものなぁ。なら、アマゾンプライムで単発映画見た方がいいかも。ほら、『アメリカンユートピア』なんて凄いのに当たったりするから。
Netflix、困るのは、別のシリーズに乗り換えようとする時だ。乗車待ちしてる列車が多過ぎで、どれに乗っていいかわからん、状態。たった1枚のポスターで目的地決めろって言われてるみたい。
行く先紹介のページを上下し、左右に眺めて、これぞ!と思う作品を探すんだが、これがねぇ、なかなか、見当たらないよねぇ。
数カ月前に見た『コペンハーゲン』から、最後まで見切れたものってないんじゃないか。ラストが知りたくて、取りあえず我慢して見た、ってのはあったとしても、わっ、楽しみぃ!とか、次、次はどうなんの?待ち遠しくて、つい、夜が更けてもモニターの前を離れられず、次のエピソードをクリック!なんて経験は、ないよねぇ、ほんと、少なくなった。
そんなマンネリの夜々に久しぶり、ドラマの魔力が舞い戻って来た。
ポーランド映画『グリーングラブ・ギャング』。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/e8/757492dca6b67456a55b68762046bced.jpg)
これは斬新だぜ。主役は前期高齢者の女3人、これがギャング仲間。なっ、新しいだろ。年寄りがギャングで鬱憤晴らすとか生き甲斐取り戻すなんて映画はこれまでにもずいぶんあったさ。でも、それって男たちだよな、主人公は。男の方がバカでお調子者だし、アクションとか暴力とか拳銃とかに強い憧れ持ってるのが多いからね。かつてはストリートでブイブイ言わせてたのに今じゃ、とか、昔は虐められる一方だったが、年取りゃ負けねえ、なんて、いつまでも見果てぬ夢を追っかけてるわけさ、男って。
だが、女はねぇ、そんな詰まらない自己満足とは程遠い。なんせコミュニ―ケーション能力高くて、けっこう濃密な生活圏築いて幸せだったりするから、ギャングやってみっかな?なんてアホなことは考えない
それからすると、女ギャング3人組ってユニークだろ。
面白いのは、主役の設定ばかりじゃないよ。足が付きかけて逃げ込んだ先が老人ホーム、って言うよりちょっと高級なケアハウスかな。これも、むむっ、お主やるのぉ、の、驚きだよ。
ここで、10年ほど人生先輩の後期高齢者と出会う3人のギャング。力量を発揮、悪徳葬儀社とかカルト宗教とかケアハウス経営者の悪行を暴いていく。認知症とか視力障害者とか歩行困難とかを装いつ、手練手管を駆使して戦いを仕掛けて行くその痛快さ、そのコミカルな味わい、楽しめるねぇ。三人の個性も魅力的だし、それぞれに人情ドラマもさらりと取り込んで、うん、上手いぞ、見事な手さばきだ。
どこかネジが外れたような警察署長、毎回出て来る孤食シーンも不思議な魅力があって、いいねぇ。切れ者・強面の女刑事も十分バロディに仕上げられていているし、葬儀社の双子社員の型にはまったトンチンカンとか、クスクス笑いのタネは尽きない。
が、このドラマで何より感心するのは、ギャング3人も含め年寄りたちが凄く魅力的に描かれてる、ってことだ。生き方や表情だけじゃない。大写しになる顔のなんと美しいこと。皺やたるみやシミがこんなに美しく描かれたドラマってあったろうか!?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/48/bc03bf223ba114dd6b0a793a2750aec2.jpg)
監督の狙いも当然そこにあって、年寄りたちの大写しが多用されているんだ。ラストの切ない別れはギャングものの定番だが、その先に歓喜の出会い、ちょっと無理筋だが、が待っていたりして。
しかも、どうやらシーズン2を予期させる終わり方まで仕込んである。
ドラマ選びに悩まされることなく過ぎた1週間、グリーングラブ・ギャング、感謝だな。
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