ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

映画『沈黙』、心には戸惑い。

2017-02-13 10:27:27 | 映画

 久しぶりだ。何年振りてくらい久しぶり。この映画は見なきゃいけない!って強く突き動かされて、イオンシネマ。よく上映してたもんだ。だって、絶対客入らないよ、置賜じゃ。まずこの手の小難しい映画に興味を持つ層が極めて薄い。その数少ない人たちの中で映画や演劇に足を運ぶ人はさらにぐーんと限られる。

 休日に違ないが、まっ、入って6、7人くらいか?予想は見事的中、我ら夫婦を含めて観客は7人!そう、そんなもんなんだよ、ここは。『相棒』の方は行列できてた、まっ、そんなもんだよ、ここは。神さんはオリバー・ストーンの『スノーデン』の方が見たいって言ったけど、そんな、やってるわけないでしょ、政治性で突出した映画。

 さて、当の『沈黙』、見終わった感想は、戸惑い。どうももやもやとすっきりしないものが残った。残虐非道の責め苦に遭いながらも、信仰を守っていく人々の強固な信念。人間ってあそこまで強くなれるのか!という驚きや感動。祈れども祈れども救いの手を差し伸べてくれぬ神の沈黙。信者たちを思えばこそ、次第に信仰への疑いが広がっていく若き神父の苦悩。いずれも心を打った。涙した。

 あんな拷問にゃとても耐えられんだろな、凄いなぁキリシタンの人たちは、と羨望を感じながらも、いや、あんなぎりぎりいっぱいの世界にゃ住みたくねえよ、てのが正直な感想だった。うーん、平均的日本人なんだよなぁ。平和ボケって言われるかもしれんが、4日4晩、荒波に洗われるとか、逆さづりされるとか、そんな極限状況そのものがお断りだ。強烈な殉教を強いる確固たる信仰てもんに向いていないよ、こっちは。宗教ばかりじゃない。思想ってやつだって同じ。愛国心だのナショナリズムだの領土だの防衛だの革命だの、熱狂するものにはどこまでも眉に唾していきたいのさ。

 今の世界、大きな問題は、宗教的狂信や宗教的非寛容がもたらす不信と対立なわけだろ。神に殉じたキリシタンやそのバードレたちの強固な信仰心、そいつは異端者への憎しみ、排斥には向かわないって言えるか。実際、映画で描写されなかったが、布教が勢いついていた頃には、仏像の破壊なんかが神父の指示のもと信徒たちの手で行われていた。土着の宗教、文化に対する優越感、それは間違いなくあったんだよ、布教者たちの意識の中に。なんせ、神の使途なんだから。そこんところは、映画でも棄教した神父・フェレイラの言葉で語られていた。もっとも、明治維新の際にも強烈な廃仏希釈運動って文化の破壊活動があったわけだから、我々日本人だってその点じゃ、タリバンやISを一方的に断罪できるってもんじゃないが。

 信仰、救済、神の言葉。沈黙を守る神の御許でいかに信仰を守り通すか。転ぶ=棄教した人たちに神の恩寵はあるのか。これが映画の主題だ。はっきり言って、ピンと来ないってことなんだ、はなはだ不信心の身としては。言い切っちまえば、どうでもいいよ、そんなこと。それより、世界の宗教対立をどうにかしてくれよ、それこそ、差し迫った課題じゃないのかい、とこういうことなんだな、モヤモヤの中身は。

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またもやタッチアウト!

2017-02-12 10:00:16 | ランニング

 4月の霞ヶ浦マラソン、当然泊りがけ。前日発でどこか近くに泊まって、翌朝会場に向かう、これしかない。じゃあ、どこで前泊?前日なのをする?

 エントリーに成功して、はて、霞ヶ浦ってどこだい?たしか、茨城だよな。ってかなりいい加減。そうか、土浦なのか、てことは、泊まりは、・・・・。楽天トラベルでチェックするも、土浦周辺はすべて予約満杯。そうだろな。となると、常磐線の手前か先か。

 行き方も二つある。これまでの、行きは鈍行路線を頑なに守れば、郡山から磐越東線でいわき、そこで常磐線に乗り換えて、水戸、おっと水戸もすでに宿舎なし。となると勝田か?それ、去年の水戸黄門マラソンと同じじゃないか、芸ないなぁ。でも、前日散歩を海沿いに向かえば、これも一興かも。大洗海岸とか、那珂湊ととか。美味いもの食えそうだし。

 もう一つの考えは、新幹線使って上野に出て、土浦に向かうってルート。わざわざ東京回ってかぁ?それも新幹線なんて使って!だが、待てよ。大会前日って土曜日だよな。だったら、東京で昼間お芝居見てから、土浦の近くまで行って泊まるってのもありだな。そうか、久しぶりに東京芝居見物してないもの、それもいいかもしれない。

 今度はチケットぴあで、面白そうで今からでも買えそうな公演を探す。ないなぁ、これはって思う劇団はとっくに予定枚数終了だ。だからって何でもいいってわけにゃいかんしなぁ。そこで目についた最後の候補が、新国立劇場『城塞』。安倍公房の作品を若手演出家が手掛けるんだって。よしっ、これに決めた。

 予約開始日、当日、まっ、マラソンじゃないんだから、あっという間に締め切りってこともないだろ。軽く考えて、開始15分後にサイトを開いてクリック。や、やっぱり、「ただ今アクセスが集中しています。しばらく経ってから・・・」さらに5分後ようやくつながるも、すでに予定枚数終了。ああ、ここでもタッチアウト、振られちまったよ。

 と、なると、常磐海岸散策コースの勝田泊まりか。待てよ、大きな劇場や人気公演はすでに売り切れだけど、下北沢とか小劇場だったら、取れるかもしれない。小さい劇団のチケット販売は公演間近だろうから。そうだな、どうせ東京に出るんなら、久しぶりの下北沢もいいかもしれない。

 と、いうことで、取りあえず宿のチェックはお預け。前日は芸術ナイト、翌日はマラソンランという、贅沢コースを追及することにしよう。あっ、下北なんかで、贅沢はないか。いやいや、心の贅沢ってことで。  

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シニア演劇学校修了コント、2本目は『神頼み』

2017-02-11 08:58:13 | コント

 冬休み明け、2回目の稽古。立春過ぎたとは言え、まだまだ雪は深い。予報じゃ今夜から大雪だって言うし、時間短縮8時30分までってことで。なんせ、雪深い峠向こうの小国から通って来る人が2人もいるから、くれぐれも無理は禁物。

 前回、台本を渡したコント2本を読む。『バトルINケアハウス』は前回同様、4人全員出席。それぞれが自分なりに読み込んできているので、丁寧にダメ出ししながら読み進めた。節分の豆まきに事寄せて熾烈なバトルを展開するという、はちゃめちゃなストーリー、出演者も1歩も2歩も突き抜けた演技が必要だ。これがコント初心者にはなかなか難しい。普段通りやると、まるで面白くなく、話しの奇天烈度だけが浮き出てまう。思い切って奇人変人になり切ることを要求した。

 もう1本の『神頼み』。

 こちらは、主役が稽古入る直前に骨折!現在も入院中、いやぁ、ちょっとピンチ!でも、今月中には退院できるということだし、杖ついて舞台に立ったとしても、それもまた、別のリアルさがあって面白いだろう。なんて、傍からは勝手なこと言える。と、言うことなので、本日も2人だけで軽く読み合わせ。

 こっちの作品は、僅かな賽銭で過大な願い事をする女に、神様、怒り心頭、やむに已まれず飛び出して、トンチンカンなやり取りをするというお話しだ。まぁ、神様の登場、なんてのはそんなに真新しいアイディアでもない。まるで食券販売機のような賽銭箱とか、すべて営利中心で運営される神社とか、ありきたりな筋立てだが、ここは良く書けてるってところがないわけじゃない。それは、参拝の女の願い事だ。

「無病息災、家内安全、商売繁栄怠りなく!保育所当選、名門合格、成績上昇、お見事卒業!ブラック回避、就活成就、パワハラ拒絶、セクハラ絶滅、一流企業に滑り込み!給料アップ、業績向上、出世街道まっしぐら!親はぽっくり、介護なし、遺産丸どり、税金逃れ!厄除け、魔除け、世界の平和もついでにお願い!万馬券に競輪大穴、パチンコフィーバー、宝くじ、特等当たってウッハウハ!一発妊娠、安産祈願、一姫二太郎、・・・」

 どうだい、とことん網羅しただろう。詳しく読むと、願いの主が女だけじゃないが、まっ、そこは娘の身になってとか、孫に成り代わってお願いしてるってことで、軽く見逃してくれ。読み方としては、!までを一息で唱える。声に出してやってごらんよ、ほれ、調子いいただろ。なんか、テキヤのたんか売とか、経文とかに通じるものがある。ラップ調でもあるなぁ。うん、いいよ。とてもいい、って手前惚れしちまうな。こういう言葉遊び、好きなんだよねぇ。セリフのリズムとか、調子とか、最近じゃあまり流行りじゃないようだけど、語り芸てのは、中身はともかく、聞く人を酔わせる調子の良さが命だから。

 さて、問題は、この名文?を役者がどう唱え上げてくれるかっとことだ。療養中のベッドの上で、リハビリで伝い歩きしながら、このセリフの面白さ仕上げて行って欲しいもんだね。

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当て書きは役者が命!

2017-02-10 08:56:47 | 演劇

 締め切りまで3週間!もうそろそろアイディア降ってきてもいいはずなのに、さっぱりだ。菜の花プラザシニア団次回公演は5月の末、その1週間後はその作品で全国大会に出る。今回の会場は、なんと、福岡!かーっ、九州くんだりまで行くのかよ。

 座付き作者、座付き演出家にゃ文句は言えない。団員が行きたいって言えば、はいはい、わかりやした、書きますよ、作りますよ、皆さんのためになんだって、ってもんだ。

 ところがさ、行きたい!って叫んでた連中が次々と脱落、劇団からおさらばしちまったり、やっぱ遠くて無理、とか4泊5日はねぇ、とか、仕事変わったんで一年お休み、とか、そ、そんなぁ、残った役者数人でどうやって芝居作れって言うのよ!

 それも、抜けるメンバー、濃いやつばっかなんだ。彼らが出てくれるだけで、舞台がぐいっと引き締まる。いや、締まらない、はちゃめちゃになる。それが頼みの綱だってのに。

 乏しいながらも救いは、うちの花形女優が行ってくれること。だから、彼女を頭の真ん中に置いて、台本を書きたいと四苦八苦しているんだが、一人芝居じゃあるまいし、やり合う相手の輪郭がくっきりしてこないことにゃ、ぐるぐると堂々巡り、なんとしても進まない。役者を思い浮かべれば、ああ、この人なら、こんなことさせると生きるし面白い、って役者のイメージ喚起力で書き上げるのが座付き作者ってもんなんだ。

 楽器できたり、歌うたえるのいたりするんだが、芝居あっての音楽だからねぇ。装置屋も、どんなもんでも作ってみせやすぜ!なんて言ってくれるけど、福岡まで運ぶとなれば、条件はかなりシビアだ。

 そして、全国だ。下手なもん見せられるわけがない。いやいや、その前に、せっかく伸びつつある集客、お客さんの期待を裏切るような詰まらない作品出せるわけがない。菜の花座はいつ見ても面白い!この評判、落としてなるもんかい。

 さらに難問は、ダンスだ。菜の花プラザシニア団って言ったらオープニングのダンスだからね。旗揚げ公演は山本リンダの「どうにも止まらない!」、全国大会仙台じゃ荻野目洋子の「コーヒールンバ」、そして、前回は「スィングスィングスィング」、

 これはなんとしても、良き伝統?として残したい。ところが、踊るメンバーが、これまた手薄。ええーい、曲さえ決めちまえば、あとはどうにでもなる、芝居のほうだって、ずるずるとひっぱりあげられる、って思って、さまざま音楽サイト覗いたり、youtube行ったり来たりしてんだけど、どれもこれもピーンと響くものがない。

 困った!とにかく、弱った!

 さんざ役者のせいにしてきたけど、書けない本当の原因は、こっちの想像力が枯渇してるってことなんだよ。わかってる。それはもう十分にわかってる。

 などとグタグタ、モヤモヤしながら時間を浪費し続けているのだ。いかん!なんとしても、いかん!

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エアロかZUMBAか?

2017-02-09 08:44:33 | トレーニング

 2週間前から始めたZUMBA、週1限定ね、やっぱ走るの中心だから、ってちょいとつまみ食いのつもりが、おっ、なんか、面白れえぞ、で別の曜日にあるレッスンにも顔出すようになった。もちろん、後ろの隅っこで。

 いいねえ!楽しい。運動量としてもなかなかのもんだ。ランニングウオッチの屋内ランモードで計ってみたら、45分のレッスンでほぼ4キロ走行レベルだった。足腰の負担は、まっそんなもんかと感じるが、日ごろ鍛えていない上半身にはかなり厳しく負荷がかかって、翌日など首から肩から背中からミシッ、ギコッ、おっとっとっと!て有様だ。でも、これも気持ちいい。ただ、フルマラソンに向けてのトレーニングとしては全然足りないから、踊りの前後で、合計6キロ程度マシンで走って1日のノルマ完了。 

 ちょっと癖になっちまって、万障お繰り合わせで、ZUMBAレッスンに駆けつけたら、なんだってぇぇぇ!インストラクター体調不良で休みだってぇぇぇぇ?!代わりに脂肪燃焼エアロ、ええーっ、エアロかぁ、ちとなぁ、と尻込みしていたら、笑顔が魅力の美人インストラクターが、ぜひ参加して!だって。おお、しますよ、もちろんです、なんて安請け合いしてレッスンフロアへ。

 ZUMBAだって、エアロから出たもんだし、音楽に乗って体動かすってだけの話し、そんな違いはないさ、と気楽な気持ちでストレッチから開始。だんだんとペースが上がって、うん、これちょっと、違うかも?なんか、上手くいかない!そんなバカな。振りについていけない、リズムに遅れる、右左が反対だ、うおーっ、手と足がばらばらだ!しかも、体の使い方が目いっぱいなので、相当きつい。音楽も同じ曲が流れっぱなし。これ、やっぱり向いてない!

 マラソンランナーの矜持として、音を上げるこたぁなかったけど、心の片隅で終了時間を心待ちしてしまったの事実だね。そう、楽しくない。一番の原因は、動きについていけないってことがある。他のメンバー上手に踊ってるのに、こっちは一人、盆踊りの出来損ない、いくら初めてったって、気が滅入る。ZUMBAじゃこんなことなかった、同じ初めてでも。

 違いはなんだ?ダンスとエクササイズの相違ってことだな。ZUMBAは基本、ダンスなんだ、踊りなんだ。リズムに乗って体を動かせばいい。右左違ってるとか、手の振りとステップがばらばらとか、はっきり言って大した問題じゃない。いや、問題だろそりゃ、いいんだよ、細かいこと気にすんな、勝手に楽しんでしまえよ。

 ところが、エアロは、厳しく動きの正しさを要求してくる。しかも、動きが目いっぱいなんだ、エアロは、エクササイズだから。そう、鍛えることが目的。それに対して、ZUMBAは楽しむことが主体。だから、エアロじゃ最後まで同じ曲だったし、曲の雰囲気なんて関係ない、だだただリズム!リズム!リズムゥゥゥゥゥ!

 ZUMBAの方は、サルサとかスカとかレゲエとか次々に音楽が変わっていく。おっ、ちょっとスローのレゲエか、いいねとかね、曲が変わるこどに楽しめる、これが嬉しい。若いインストラクターの選曲にも、なるほどなるほど、って感心したりして。

 体の動きも、かちっと決まってるエアロに対して、踊り手の自由度がずっと高いんだよ、ZUMBAは。ステップの踏み方、上半身のくねらせ方、腰の振り、一定のお手本はあるけど、その通りなぞったってカッコよくならない、そう、ダンスだから。そこにゃ、ラテン音楽とともに暮らしてきた人たちの文化が宿ってるんだ。「ブエノビスタ」(ライ・クーダーが往年のキューバミュージシャンと作った音楽ドキュメンタリー)に出てきた老人たちの驚きの身ごなしなんか思い出しつつ踊るんだ。そう、カッコよさの基準が違うってことなんだ。

 インストラクターの指示の出し方も、ZUMBAじゃ次から次と振りが変わっていくだけ。こうしてああして、なんて指令はいっさいなし。それを見よう見まねでなぞりつつ、自分流のダンスに仕上げていく。エアロが鍛錬効果が上がるように手の振り足の上げ方まで教えて来るのとは大きな違いだ。

 ZUMBAを選んだ僕の直観、ズバッと当たってたってことだ。と、いうことなので、これからはZUMBA一筋、美しいお姉さんの誘いににだって乗らないぞ。 

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