2021年7月16日(金)カルメル山の聖母の記念のミサ
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父 説教(大阪)
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
今日はカルメルの聖母の記念を行なっています。
では、カルメルの聖母というのは一体何なのか?何で今日この日に、記念を行なうのでしょうか?
聖地のパレスチナのカルメル山には、キリスト教の共同体が住んでいました。その共同体は主に隠遁者で、お祈りの生活をする人々でした。しかし修道会として特に形を取ったのは、12世紀、聖ベルトルドという聖人のおかげでした。西洋の西方の共同体のやり方を適用しました。
そしてこの修道会が教皇様によって認可されたのが1221年、教皇オノリウス3世によって認可されました。何故かというと、1221年の7月15日と16日の間の夜、マリア様が教皇オノリウス3世に現れて、「このカルメル会の修道会は私の会だから、認可するように」と命じたからです。
しかしイスラム教の迫害がひどくなり、カルメル会の修道者たちは聖地をパレスチナを出ざるを得なくなりました。そしてヨーロッパに渡ってきました。しかし残念な事に、ヨーロッパでもこのカルメル会の修道会の迫害はありました。
その時に、第6代カルメル会総長聖シモン・ストックにマリア様が現れました。時に1251年7月16日、今日の事でした。
そして聖シモン・ストックにカルメルの茶色のスカプラリオを与えて、「特別の保護の印として、これを着るように」と命じました。
そしてカルメル会の聖母を祝うのは、7月16日となりました。マリア様がいつも守って下さる、という印です。
特にこのマリア様の約束によれば、「このスカプラリオを着て死ぬ者には、その死んだその直後の土曜日に、マリア様はその霊魂を天国に連れて行く、煉獄から天国に連れて行く」と約束されました。
ヨハネ二十二世教皇は、これを「本当のものである」と確認して、そして1908年頃、祭礼典礼聖省もこれを確認しました、「これは本当の事である。」
ではカルメル会の聖母の、私たちにおける意義とは何でしょうか?
「マリア様は私たちの母で、私たちに、子供である私たちに、いつも衣服を着せて下さり、私たちを保護して下さる」という事です。このスカプラリオは、その目に見える印です。マリア様は、迫害を受けているマリア様の子供たちを守り、愛します。
ですから、私たちもお祈り致しましょう。聖伝のカトリックの教えを信じ、カトリックの聖伝のミサを捧げ続ける共同体がいつも守られますように、私たちにはいつもそのミサの場所が与えられて、ミサを捧げる司祭たちが与えられて、召命が与えられて、そしてできるならばそれを続ける健康も与えられて、そして私たちが安心してマリア様を通して、イエズス・キリストの聖心をお愛しする事ができますように、祈りと、讃美と、感謝を捧げる事ができますように、その特別の保護を乞い求めましょう。
そして遂に、この世を御旨によって去らなければならない日が来ましたら、それはもしかしたらすぐ来るかもしれませんが、その時には、マリア様から特別に愛された子供たちとして、私たちを愛する聖父のその懐の元に行く事ができますように、早くその光栄に与る事ができますように、マリア様の特別の保護と御助けを求めましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。