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イエズス・キリストのいと尊き御血は、私たち人間が何であるか、どれほど愛されているのかを語っている

2022年08月04日 | お説教・霊的講話

2022年7月1日(初金)イエズス・キリストのいと尊き御血の祝日のミサ
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父説教

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。

愛する兄弟姉妹の皆様、今日は初金で、イエズス・キリストのいと尊き御血の祝日を祝っています。
この祝日は、私たち人間がどれほどイエズスの聖心から愛されているのか、人間は主からどのように考えられているのか、ということを雄弁に語っています。天主にとって人間とは、この世の人々が考えるのとは全く別のものです。

イエズス・キリスト、人となった天主は、私たちの為に御自分の御血を、天主としての血を流されて、悪魔の支配から、奴隷状態から、御自分の御血の値で買い戻して下さいました。

主にとって私たちはとても大切で、どれほど大切かというと、私たちを御自分の子供として、養子相続しようと思われたほどでした。御自分の持っている全ての富を、御自分自身を与え尽くそうと、その富を私たちに遺産として相続させようと思われました。「天主の子供」。これが私たちの与えられた地位です。天主が私たちをどれほど愛しておられるかを示しているものです。その為に主は、御自分の血を全て流すことを喜んでされました。

この世の人々は、主の愛を知りません。人間を単なる物であるかのように考えています。商品であるかのように、あるいは動物以下であるかのように、物以下であるかのように、環境を破壊する原因であるかのように考えてます。人間よりも空気や水の方が大切であるかのように考えています。人間はエコロジーに従属するモノ、管理のためにインターネットに繋げるべきモノに成り下がっています。

カトリック信仰が教える「人間は天主の子」となるべき大切な存在だったのに、単なる消費者、単なる労働力を経て、今では機械かマイナンバーかモノに成り下がってしまいました。

そのような人間の価値が全く認められないような現代世界においては、ですから子供も、赤ちゃんも、自分の都合が良い悪いで判断されて、そして今、戦争が起こっています。子供たち、全く罪のない子供たちに死刑が宣告されて、無罪であるにも関わらず殺されたり、あるいはその無防備な子供たちに戦争が行われて、何十万という日本だけでも子供たちが亡くなっています。

一体なぜかというと、それは真の主の、イエズス・キリストの私たちに対する愛を知らないからです。私たちがどれほど大切に思われているかということを、考えていられるかということを、どれほど貴重な存在であるかということが、知られていないからです。

私たちには希望があります。私たちはたとえ今、堕胎などという悪をどうやって止められるのだろうか。全く私たちは無理じゃないか、と思っているかもしれません。そんなことは決してありません。なぜかというと、天主が、私たちの為に血を流された、それほどの愛を以って私たちを考えておられるからです。

つい最近、アメリカを見て下さい。アメリカでは堕胎が法律によって許されるようになって、その時から多くのカトリック信者は立ち上がって祈りをしてきました。そのような信者さんたちが赤ちゃんのことを思って、病院の前に行って跪ずいてお祈りをしてきました。あるいはそのような困ったお母さんがあると、お母さんに「心配するな。子供を産んで下さい。赤ちゃんのことを考えて欲しい。」励ましてきました。そういう命がけで祈ってきた人たちが何十万といます。政治家たちもそのような人たちを無視することができませんでした。アメリカでそのような人たちがいたからこそ、マーチ・フォー・ライフも出来ました、生まれてきました。

そしてこの前のイエズスの聖心の祝日に、ちょうど6月24日は洗者聖ヨハネの祝日でもあったのですけれども、イエズス様の聖心の為に一日ずれて祝いました。しかし、まさに洗者聖ヨハネとイエズス様が会ったその出会った出会いの日には、アメリカの合衆国では最高裁判所では、「今までの判決は間違っていた。今までの法律は間違っていた」と、考えられないような判決を出しました。

アメリカ合衆国の憲法では、堕胎をする権利を認めたことなど一切ない。これは各州がもしも堕胎を禁止すれば、それは禁止になるので、合衆国憲法はそれを覆すようなことはできない、と言いました。憲法で堕胎をする権利を認めたことはあり得ない、と。

それで、その後で各州は、うちの州では堕胎は禁止です、という27の州が、「元々禁止だったので、禁止です。だからもうできません。」そういう風に宣言されました。この今まで祈ってきたカトリックのアメリカの方々は、非常にこのことを喜びました。これで赤ちゃんが、これらの州では守られる。まだ途中だけれども、これ全ての堕胎が禁止されるように、赤ちゃんに対する戦争が終わるように、もっともっとやらなければならないけれども、大きな一歩だと、この奇跡的な判決を喜びました。

ある人は、ちょうどこれは、ファチマのマリア様が約束された通り、ロシアの奉献がなされたので、『戦争が終わるように』と御恵みを下さったのだろうと言う人もいます。

奇跡は、お祈りによって必ず起こります。ですから私たちは、全幅の信頼をもって、イエズス様の愛に信頼して、マリア様の御取り次ぎに信頼して、祈り続けましょう。アメリカの偉大な兄弟たちの模範に倣って、私たちも子供たちの為に祈りましょう。

マリア様にお祈りを続けましょう。きっとマリア様が私たちの祈りを、拙いながらも捧げれば取り次いで下さって、お医者さんたちの心を変えて、あるいはお母さんたちの心を変えて、あるいは日本の政治家たちの心を変えて、「これからは堕胎ではなくて、このような赤ちゃんを養子にしたり、あるいは大切にして育てるように働かなければならない」と変わっていくようにお祈り致しましょう。マリア様に特にお祈り致しましょう。

聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。



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