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無原罪の御やどり:悪魔とその手先たちは、マリアに対しては何もすることができませんし、マリアの御保護の下に身を置く者たちに対しても、何もすることができません。

2021年12月29日 | お説教・霊的講話

無原罪の御孕りの教義についての説教

ドモルネ神父

はじめに

12月8日、私たちは、童貞聖マリアの無原罪の御孕りをお祝いします。今日は、この教義の意味についてお話しします。

1.教義の宣言

 1854年12月8日、教皇ピオ九世は、無原罪の御孕りの教義を宣言しました。教皇の言葉は次の通りです。「余は、以下のように宣言し、公表し、定義する。すなわち、至聖なる童貞マリアが、その御孕りの最初の瞬間において、人類の救い主イエズス・キリストの功徳を考慮して、全能の天主が授けた特別な恩寵と特権によって、原罪のすべての汚れから保護されていたとする教義は、天主によって啓示された教義であり、したがって、すべての信者はこれを固く、かつ絶えず信じなければならない」(大勅書「イネファビリス・デウス」〈Ineffabilis Deus〉)。
この宣言の構成要素について、少し説明することにしましょう。

2.マリアは原罪から保護されていた

アダムは最初の人間であり、すべての人間の父でした。全人類はアダムの中にありました。ですから、アダムが罪を犯したとき、全人類が罪を犯したことになったのです。この理由から、すべての人間は、罪の状態で生まれてくる、という一般法則があります。童貞聖マリアはアダムの子孫ですから、他の人間と同じように、当然、罪の法則の支配下にありました。しかし天主は、この法則が聖母に適用されることを、妨げられたのです。

3.マリアの御孕りの最初の瞬間において

子どもの受胎においては、両親が子どもの体を形作ります。子どもの体が形作られると同時に、天主は霊魂を創造され、その体に結び付けられます。霊魂と体が結びつくと同時に、その子どもは、人間となります。聖母の両親、すなわち聖ヨアキムと聖アンナは、人間本性の法則に従って、マリアの体を用意しました。天主は、マリアの霊魂を創造され、それをマリアの体に結び付けられました。その瞬間、罪の法則が、マリアに適用されるはずでした。しかし、その同じ瞬間、天主は、マリアに成聖の恩寵をお与えになることによって、罪の法則がマリアに適用されるのを防がれたのです。マリアが原罪によって汚れを受けられた最初の瞬間と、マリアがその汚れから清められた第二の瞬間があったのではありません。マリアは、原罪から完全に保護されていたのです。マリアは、無原罪で御孕りになったのです。

4.保護によって

マリアの無原罪の御孕りは、唯一無二の特権です。原罪から保護された人は、他にはだれもいません。すべての人間は、まず罪の汚れを受け、その後、洗礼によって清められます。私たちの主イエズスが原罪の影響をお受けにならなかった、というのは、その通りです。しかし、私たちの主イエズスは、原罪から保護されたわけでも、清められたわけでもありません。主は、その神性のゆえに、単に、罪の法則の支配下にはおられなかっただけなのです。では、なぜ天主は、聖母に無原罪の御孕りという特権をお与えになったのでしょうか? それは、イエズスの御母、また、天主の御母という聖母の使命のためです。イエズスの無限の尊厳のゆえに、イエズスの御母が、まさに最初の瞬間から、完全に罪を免れている、ということが、必要だったのです。

5.イエズス・キリストの功徳を考慮して

聖パウロは、ローマ人にこう言いました。「一人の人、アダムの不従順によって多くの人が罪人とせられたように、イエズス・キリスト一人の従順によって、多くが義とされる」(ローマ5章19節)。イエズスは、普遍的な救い主でいらっしゃいます。イエズスを通さなければ、誰も、恩寵を受けて、天国に行くことはできません。このことは、童貞聖マリアにも当てはまります。聖母は、原罪から保護され、イエズス・キリストの功徳のゆえに、恩寵の充満を受けられました。マリアは、私たち全員と同じように、私たちの主イエズスによって贖われたのです。

6.原罪のすべての汚れから保護されていた

最後に述べておきたいことがあります。原罪は、苦しみ、病気、死、死後ちりに還ること、無知、悪意、弱さ、情欲といった結果をもたらしました。教皇ピオ九世は、童貞聖マリアが「原罪のすべての汚れ」から保護されていた、と述べました。これは、聖母が、ご自分の中での恩寵の進展を妨げるような、原罪のすべての結果から保護されていた、ということを意味しています。ですから、マリアは、苦しみや死からは、保護されておられませんでした。苦しみや死は、霊魂における恩寵の進展を妨げるものではないからです。しかし、マリアは、病気、死後ちりに還ること、無知、悪意、弱さ、情欲からは保護されておられました。

結論

親愛なる信者の皆さん、聖母の連祷で、私たちは童貞聖マリアを「象牙の塔」と呼びます。象牙は、貴重で美しく、腐敗しにくい素材です。私たちが聖母を「象牙の塔」と呼ぶとき、それは、恩寵の充満である聖母の美しさと、聖母の非腐敗性、すなわち聖母の無原罪の御孕りを意味します。聖母の恩寵の充満と無原罪の御孕りは、聖母を、堅固な塔のように力強いものにします。悪魔とその手先たちは、マリアに対しては何もすることができませんし、マリアの御保護の下に身を置く者たちに対しても、何もすることができません。ですから、悪魔に抵抗したければ、マリアを拠り所としましょう。無原罪の御孕りのメダイである、不思議のメダイを身につけましょう。この祈りを頻繁に唱えましょう。「原罪なくして孕り給いし聖マリア、御身に依り頼み奉るわれらのために祈り給え」。アーメン。



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