6月25日のエントリで、現在担当している総合学習講座、「英字新聞を読む」について取り上げた。
先週の講座で、ひょっとしたら現在一番旬な英単語について取り上げてみた。
英単語の出所は安倍総理大臣(の演説)である。発言を英字新聞や役所がどう英訳しているか、生徒諸君に知ってもらうことにした。ちょっとした頭の体操だが、カッコつけたいい方をすれば、日英語の比較である。
今回、素材(教材の元)は総理官邸のウェブサイトから直接引用した。
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【手順】
安倍総理大臣の所信表明演説で「再チャレンジ」が出てきている部分を引用。
まず日本語で生徒諸君に読んでもらう。その後、英訳を生徒諸君に渡して、「再チャレンジ」を探してもらった。以下がハンドアウトの原文である。
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NEWSな英語
再チャレンジって英語でなんて言うのかな?(安倍総理大臣の演説より)
(活力に満ちたオープンな経済社会の構築)
新たな日本が目指すべきは、努力した人が報われ、勝ち組と負け組が固定化せず、働き方、学び方、暮らし方が多様で複線化している社会、すなわちチャンスにあふれ、誰でも再チャレンジが可能な社会です。格差を感じる人がいれば、その人に光を当てるのが政治の役割です。私は、内閣の重要課題として、総合的な「再チャレンジ支援策」を推進します。
新卒一括採用システムの見直しや、パート労働者への社会保険の適用拡大などを進めます。再チャレンジ職場体験制度の創設や団塊世代などベテラン人材の再雇用の促進といった、再び仕事を始めるためのハードルを引き下げる取組も行います。2010年までにフリーターをピーク時の8割に減らすなど、女性や高齢者、ニートやフリーターの積極的な雇用を促進します。再チャレンジする起業家の資金調達を支援するとともに、個人保証に過度に依存しない融資を推進します。こうした様々な再チャレンジを支援する民間や自治体の取組を応援するため、内閣総理大臣による表彰制度を新たに設けます。
The kind of society that Japan should aim at is a society in which the efforts of people are rewarded, a society in which there is no stratification into winners and losers, and a society in which ways of working, learning, and living are diverse and multi-tracked- in other words, a society of opportunity where everyone has a chance to ( c )( a ). If there are people who sense they are facing inequality, it is the role of politics to shed light on them. I will promote comprehensive "( C )( A ) Assistance Measures" as an important task of my Cabinet.
I will re-examine the current system of employing new graduates en masse, expand the application of social insurance coverage to part-time workers, and strive to lower the barriers preventing people from re-starting employment. For example, I will establish a system that allows people to experience the workplace in order to re-start work, and I will promote the re-employment of experienced workers such as baby boomers. I will also promote the employment of women and elderly people, "NEETs" (people Not in Employment, Education or Training), and "freeters" (job-hopping part-timers), and target a reduction in the number of freeters to 80 percent of the peak level by 2010. I will support fundraising by ( c )-( a ) entrepreneurs, and I will promote financing that is not overdependent on personal guarantees. In order to assist such endeavors by the private sector and local governments in support of diverse ( c )-( a ) measures, I will establish new Prime Ministerial awards.
出典:Policy Speech by Prime Minister Shinzo Abe to the 165th Session of the Diet
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【活動】
赤字部分が「再チャレンジ」である。
英文の( c )( a )がそれを英語に置き換えた部分で、生徒諸君には書き出しに続けて単語を考えてもらった。
【生徒の反応】
cがchallengeなのは当然としても、aもagainであることが、すぐわかった。ハンドアウト。。。易しすぎたようだ。でも、単純で簡単な表現。政治家の演説だから、もっと難しい単語だと思っていたのか、「へぇ~」という感想だった。
【教材として、反省・感想】
興味を持ってもらえれば、まず成功(OK)かな?
教科書の英語と違い、何をどこまでヒントを与えるべきか非常に難しい。今回のだってagainはブランクでもよかったと、後で思う。authenticな英語をマテリアルにするのは難しい。反省材料だと思う。
いい勉強になった。