まず、異例なことを。
8月4日、文部科学省から、「平成23年度学校基本調査の速報」が発表(ウェブサイト掲出)された。プレスレリースを読み、改めて、今年の異常さを考えた。
3 東日本大震災の影響に配慮した対応
被害が甚大であった岩手県、宮城県及び福島県に所在する学校について、以下のとおり扱うこととした。
(1)幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校及び各種学校については、提出期限を6月25日から10月30日まで延長したため、速報に反映されていない。ただし、調査期日は5月1日現在。
(2)大学、短期大学及び高等専門学校については、提出期限の延長を6月30日にとどめたため、速報に反映されている。
(3)今回反映されていない岩手県、宮城県及び福島県の数値については、平成24年2月に公表予定の確定値(報告書)に含める。
国の統計調査で(1)のように後回しなんて、そうあることではない。
・・・僕はホントに見たことがない。
資料の読み込みをしてみよう。読み方の観点として、昨年と比較できるようにしたい。ここでは埼玉県の高校卒業生はどのような進路を選択したのか考えてみる。なお、以下の数字は全日制、定時制、単位制すべての課程を合計したものであり、その課程の普通科・専門学科を今春卒業した生徒すべてを合計したものである。
人数は全体(男子/女子)である。
上段 平成23年
下段 平成22年
高校卒業生数
54,160(28,024/26,136)
54,493(28,281/26,212)
大学進学者数
30,912(15,936/14,976)
31,062(16,040/15,022)
専門学校進学者数
(専門課程)
8,765(3,532/5,233)
8,552(3,459/5,093)
(一般課程)
3,650(2,742/908)
4,099(2,997/1,102)
就職者数
6,632(3,681/2,951)
6,561(3,645/2,916)
大学進学者数にはそれぞれ通信制大学進学者を含む。
男子25(昨年17)、女子15(昨年10)。
これ以外にも公共職業能力開発施設入学者や、一時的な仕事に就いた者、不明がいるが、上記四つが高卒生徒の進路先と見てもいいだろう。いずれにしても埼玉県全部の統計である。
今度は比率を見てみよう。以下、全体に占めるパーセンテージ(男子/女子)である。
上段 平成23年
下段 平成22年
大学進学率
57.1%(56.9%/57.3%)
57.0%(56.7%/57.3%)
専門学校進学率
(ただし専門課程)
16.2%(12.6%/20.0%)
15.7%(12.2%/19.4%)
就職率
12.3%(12.3%/13.2%)
12.1%(12.9%/11.3%)
全国平均はどうだろう。全国の数値と比較してみよう。これも、今春の全高校卒業生に占める割合である。
大学進学率
54.4%(52.4%/56.5%)
54.3%(52.7%/55.9%)
専門学校進学率
(ただし専門課程)
16.0%(12.8%/19.4%)
15.9%(12.7%/19.1%)
就職率
15.9%(18.8%/12.9%)
15.8%(18.4%/13.1%)