2005年福岡アジア文化賞受賞記念特別展が今、福岡市美術館で開かれています。
受賞者は、ラオスの染織研究家、ドアンドゥアン・ブンニャウォン氏です。これを記念して、氏が所蔵するラオスの貴重な染織がラオスの織物「織りに浮かぶ祈り」として展示されています。会期は9月14日~10月16日。
氏はラオス古典文学研究者で、その研究過程の中から芽生えた伝統文化への関心は、やがて織物へと向かい、その歴史研究、伝統技術の保存と継承、織り手である女性の社会的地位の向上、外国への紹介と発展していきました。
その幅広い活動がラオスおよびアジアの伝統文化の保存、継承、発展に大きな貢献をしているという理由で今回の受賞となりました。
市美術館では、18日(日)に市民フォーラムも開かれ、ブンニャウォン氏、鈴木玲子氏(東京外語大助教授)、新田栄治氏(鹿児島大教授)のパネルディスカッションに満場の視聴者も熱心に聞き入りました。
最後には説明よりも実物をということで、市職員や新田先生の奥様とご令嬢がモデルとして協力してくださった和やかなファッションショーで幕を閉じました。楽しかったこと、感銘を受けたこと、初めて知ったこと・・・など、お互いに理解し、受け入れることがアジアの人々が共生する原点になると思いました。
新田先生の説明の中に「ラオスは多民族国家で、助け合いが合言葉になっている」とありましたが、世界では今だに民族間の熾烈な争いが耐えないことを思うとき、とても含蓄のある言葉だと思いました。