昨年は更新の回数がかなり減りましたが、それでも訪れてくださったことを嬉しく思い感謝しています。備忘録のつもりで書くのですが、いただくコメントにはわくわくしております。今年もブログをとおして、皆様と交流できたらと願っています。
年末の忙しい時期に温泉めぐりのスケジュールが入りました。クリスマス休暇で帰ってきていた温泉好きの息子が、熊本県の平山温泉と大分県の長湯温泉を予約していました。
平山温泉・・・・・山懐の宿「一木一草」は、全室が離れ形式の8部屋の小さな宿です。
部屋には、囲炉裏間と石造りの内風呂と露天風呂が付いており、木材とデザインに意匠を凝らした実に贅沢な空間になっています。「八千代座」を手掛けた棟梁の手も入っているそうで、職人の技が見事です。
ここでゆっくりいただく夕食がみごとで素材、味付け、盛り付け、器、どれも二重丸。料理長のこだわりと思いが十分に伝わってきました。宿と湯と食を提供してくれるまさに「日本の旅館」と「おもてなし」を十分に堪能しました。
牡丹雪の中で露天風呂につかるのは最高です。詩心はなくてもおのずから俳句らしきものが浮かんできて一句、「牡丹雪 肩に溶け込む 露天の湯」
このほか洞窟風呂と岩風呂があり、日帰り温泉としても利用度が高いようです。つるつるした泉質はアルカリ性単純温泉で別名「美人の湯」。透明度の高く100%かけ流しです。
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翌日は、凍結した山道を3時間走って大分県の長湯温泉に向かいました。運転手には緊張の3時間のようでした。
長湯温泉は久住山系のふもとの古い温泉地で、芹川沿いに15件ほどの宿があります。温泉「百選」にも選ばれているという炭酸泉の濁り湯です。
芹川の河原に石で囲っただけの露天風呂「ガニ湯」があり、橋の下に棚がありここで着替えるとか・・・。入浴する人も景観を楽しむなら、公然とそれを見て楽しむ人も・・・。なかなかダイナミックな趣向です。以前テレビで見たような記憶があります。情報によると、長湯は近年、人気が急上昇中とか。
宿泊先の大丸旅館は、日本屈指の高温の炭酸泉を持ち、与謝野鉄幹・晶子や徳富蘇峰も投宿したという100年の歴史を持つ老舗旅館です。芹川に面してロケーションは抜群で、対岸の桜並木が春には見事なことでしょう
温泉成分が堆積したお風呂は、実に温泉らしいけれど、見た目には若干清潔感に欠けるところがあります。
別施設としてちょっと風変りでモダンな建物、同旅館経営の「ラムネ館」があります。高濃度の炭酸を含んでいるのが有名らしいけれど、湯温が32度では冬はオススメでないようです。
食事は丁寧に取ったダシのうまさを感じる料理です。ご当地料理は「エノハ(やまめ)」の丸ごとの姿揚げ。頭から尻尾まで残すことなく食べて下さいということでした。
平山温泉では肥後牛のホウバ焼きが、長湯温泉では豊後牛の陶板焼きが、そして両方とも「馬刺し」が出るのが、山間の旅館の定番のようです。馬刺しのトロや霜降は、口の中で馬肉の油脂がゆっくり溶けるので、刺身でもおいしく食べられます。
思いがけなく温泉で1年間の疲れを癒してすっきりしたあとは、おせち料理の準備にモードを切り替えて頑張りました。